簡単にするということ

考えが深く入り組んでしまうと、簡単な言葉で語るのが難しくなってくる。

今、ちょうど私の次のテーマが始まっていて、それは「わかりやすく語ること」である。
大変わかりやすい本を書こうというサイコロプロジェクトも始まったし、授業でも極力簡単なようにしようとしている。
もっとも、内容がどうしても難しいことだから−後者の例として、統計的技法についての授業は、そもそもが応用的算数の話だ−気がつけば周囲のひとを置いてけぼりにして一人突っ走ってしまいかねない。というか、たぶん突っ走っているんでしょう、今も。

教育実習に行ったときからうすうす感じていたが、おそらく私は教育者として、やや向いてないのだろうと思う。もちろん、足りないところは技術でカバーするつもりだが、中にはおそらく、先天的に向いている人がいるのだろう。友人や先輩の授業を受けたことはないから推測するだけだが、「この人ならうまくやってるだろうな」というモデルは何人かいる。

夕食を作りながら思った。

豚肉は美味しい。生姜焼きは大変美味しい。でも、豚肉だけじゃなくて、タマネギを一緒に味付けして炒めるともっと美味しくいただける。

学術的内容において、私はこういうタマネギ的ポイント・教材・技術を、適切に使いこなせていないのだと思う。肉を食え、肉を!と思ってしまうのだ。

はしやすめというか、付け合わせというか、味を引き立ててくれる他の食材をうまく取り入れて調理できるように、日々努力あるのみじゃよー。