Rをつかった統計利用のOJT

最近,研究ノートをつけなくなった。
昔は分析して,結果をプリントアウトしてノートに貼り,整理しながら思考を進めていたのだけど。

そうしなくなった最大の理由は,統計的分析環境がRだけになったこと,が大きい。
分析ソースをテキストファイルとして残しておけるし,そこにコメントアウトで思いつきを書いておくと,後から見直しても十分フォローできるからだ。
計算プロセスはもちろん,報告で利用する図版もその都度描かせれば良いんだものね。
SPSSなどGUI環境では,出来なかったことなんだよなぁ。

もう一つ,Rにすることのメリットがある。
学生を指導する方法の一つとして,最近統計分析を遣っているところを見せて,横で学ばせるという方法がつかえるのである。いわば,統計のOn the Job Trainingである。

統計は「習うより慣れろ」なところもあるし,コンピュータの習熟度,統計的知識の習熟度も様々だから,講義や演習でやっても隅々までしっかり届いている・・・というのはまぁ難しい。

で,学生指導に時間が取れる場合は,分析当初のデータファイルをcsvなどで共有して,画面を共有しながら(画面の共有については,今はマルチモニタで画面を複製しながら見合っているが,ハード*1やソフト*2で対応することも出来る。),分析のソースコードを一緒に書く,という方法をとっている。この手のソースコードをベテランと初心者が一緒に書く,というのはSEの教育場面でもよく使われていると聞く。実際これだと,思考のタイミングをシンクロしていくことが出来るし,会話しながら進められるので学生の創造性・自発性をスポイルすることもない。欠点は,一度に数人共有するのが限界,と言うところだけど,どうせどこかではマンツーマン教育になりがちなのである。

導入のごく初歩のレベルは着いてくるのに精一杯,あるいは文法エラーを連発するということもあるだろうけど,すぐにそんなものはなくなっていくし,ソースコードがそのまま学習ノート,研究ノートの記録になっていく。
何より,複数人を相手にしていても,学習者が学習者のレベルに応じて,自発的に学んでいってくれるところが楽だ。まぁ統計の徒弟制みたいなものですけどね。

このやり方がうまくまわっていけばなぁ,と思っております。

*1:[http://www.uchida.co.jp/wivia/index.html:title]

*2:[http://www.teamviewer.com/ja/index.aspx:title]