思想としての全共闘世代

思想としての全共闘世代 (ちくま新書)

思想としての全共闘世代 (ちくま新書)を読んだ。
私(あるいはわれわれ世代)にとって、全共闘って、多分一番イメージされない時代の遺物だ。
明治や江戸ほど離れていたらそういうもんか、と知識として理解できるけど、戦後の思い出したくない時代で、かつまだまだ当時を知ってるオヤジたちがいる時代だから、語るに語れない、聞くに聞けない。なんか色々あったんだろうなぁ、と遠くにあって思うもの。あるいは誰も語らないので、無かったこととして知られなくなっていくもの、そういうイメージで私は捉えている。

著者がそれを総括するというのだから、読まねばならぬと思って読んだが、やはり時代の空気感とそこでうごめく人の空気ばかりが伝わってきて(そういう意味では著者の狙い通りなのであるが)、結局私(あるいはわれわれ世代)にとっては、どういう世界なのかわからぬものなのである。

それでいいのかもしれない。

それでもわれわれ世代はわれわれ世代を生きて、何か生み出していかねばならないとおもうのだ。