マイクロソフトの罠

統計解析用のソフトがどうしてもインストールできません、と学生が言うので見てみた。
確かにインストール途中で「ファイルがねぇ」と切られてしまう。

ソフトのサイトで見てみると、Administratorでないとインストールできません、とのこと。
ご丁寧に「Admin権限を持つユーザーではなく、Adminでないと駄目」とある。
しかし、WinXPの「ようこそ」画面にAdministratorのアカウントがない。

実はこれ、アカウントがないのではなくて、表示されていないだけなのである。
調べてみると、XP Professional Editionでは、レジストリをいじくれば表示できるようになることが分かった。それでAdminを出し、ログインし、インストールすると無事完了。後でAdminを表示させないように戻しておく。

更に問題は続く。学生のPCをさわり、レジストリを見るが、必要なエントリーがない。どうやらWinXP Home Editionはまた違うみたいなのだ。

調べてみると、XP Home Ed.では、Adminはあるけど表示されないし、表示するにはSafeモードしかないという。なんだそれ。仕方がないので、Safeモードで起動してインストールした。

初心者にとって、”管理人”の存在は確かによくわからないだろうし、それがいちいち表示されて気になるのも嫌でしょうからと消しておくというのは、サービスのように見えるかもしれない。しかしそれは、ある意味「過保護」であって、初心者がいつまで経っても独立できない原因にもなりうる。表示しないというのであれば、表示がなくても全く問題がない状態にしておくべきだ。今回の統計ソフト、インストーラーはVBを使って造られてあった。つまり、今回のトラブルは、マイクロソフト社自身の別製品が招いているのである。

Home EditionのAdminアカウントは、最初はパスワードなしの設定になっている。ということで、初心者が誰かに「気付いたらAdminで入られて、パスをつくられ、PCの中身を勝手に見られていた」という被害を受ける可能性もある。というか、事実そういう犯罪が起こっているようだ。

初心者が、「学ぼうとしない、理解しようとしない」というのも問題であるとは思う。
しかし、誰しもが好きでPCを触っているわけじゃないのだ。ソフトを半ば強制的に提供してくる側にも、問題があると言わざるを得ないだろう。