ご挨拶

この日は妻や娘と一緒に大阪へ。

まずはオヤジのところに。山口に行くことを告げに行く、ご挨拶。

驚いたのは、祖母の老け具合。もう少しすると戻るから、といわれて待っていた。ボケてるから福祉センターのようなところに行ってるようです。
帰ってくると「エイ!エイ!エイ!」という声が聞こえる。祖母の声である。何だろう?と思ったが、どうやら言葉が出なくなったようだ。
というのも、対面してわかったが、右半身が動かないようなのである。足は曲がらない、手は曲がったまま、顔は引きつっている、という状態。で、左脳がやられているわけだから、当然言語野がダメになっているわけで、言葉が出ないのである。こちらが話す内容は理解して、ウンウンと頷いているが、返事が「エイ!」しかできないのだ。娘は人じゃないものを見るような顔で、怖がっていた。

老いてカラダに不具合が出るのも、わからなくて怖がるのも、いずれも自然な人間の反応だと思う。
しばらく見ない間に、こんな状態になっていたとは思いもよらなかった。元気だった姿を思い出すと、可哀想になって泣けてくる。

人間が生きているというのは、こういう当たり前のような感情や様々な事情と共に、プロセスが進むことであって、決して省略したり要約したりできないものなのだ。

やっかいだ。

その後、母のところに行く。娘は以前もお世話になっていたからか、こちらではすぐに元気にはしゃぎ回る。

私と妻は、またしても子供を預けて、お出かけである。
今度は大学院時代の友人が、就職祝いで宴席を設けてくれるというのだ。
難波の、例の美味しいお酒のお店で、たっぷり今まで通りの馬鹿話を展開する。

奈良の自動車保険には、万一鹿を轢いてしまったときのための、鹿特約というのがあって、後輩Hは家族割引で月々2800円払っているという。
よくできた笑い話だ。