切りかけのオベリスク

二日目は早朝から飛行機に乗る。国内線で一時間半ほどのフライト。アスワンへ。
アスワンではまずアスワンダム、つづいてアスワンハイダムをみて、切りかけのオベリスクへ。

この国は結構すごいな、と思うのは、アスワンダムとか、ハイダムのような長期的国家プロジェクトを立てて、実行しているところだ。今も、ナイルの水を砂漠に運んで、砂漠緑化プロジェクトに取りかかっており、十数年後にこれが完成したら、居住可能地が今の数倍に広がるという。ことほどさように、数十年単位のプロジェクトが、それこそ5000年前から達成される国のようである。まぁ一人の首相が長く在位するから出来ることでもあるんだろうけどね。

切りかけのオベリスクは、オベリスクという柱の装飾品を作っている途中で、柱が欠けたから作業がストップした、という代物。これのおかげでどのように岩を切り出したのかがわかるようになったという。

例えば各ファラオの血縁関係とか、どうやって壁画に色を付けたのかとか、どうやって石を切り出したのか、とか、結構まだわかってないことが多いようだ。まぁ切り出し方はひとつ明らかになったようですけど。

すぐに空港に戻って、今度はアブシンベルへ。かなり僻地。三十分ほどのフライトであった。
飛行機を降りると、他のツアー客(各国)と一緒に乗り合いバスに乗り込んで、アブシンベルの大・小神殿へ。

これは圧巻である!

でかい。すごい。作ったのはラムセス二世。ガイドさんは「ラムちゃん」と呼ぶ。このファラオ、ただ者じゃない。93歳まで生きて、60年ぐらいファラオを続けたらしい。カルトゥシュの戦いで、敵の罠にはまったにもかかわらず、勢いでその罠を突破し逆転勝利。それがよっぽど嬉しかったのか、あちこちにそのレリーフを作っている。妻が39人、子供が200人。その中でも、一番美しかったネフェルターリのために小神殿を造ったそうな。

写真は大神殿の方。四つのラムちゃん像は、左から順に20代、40代、60代、80代の姿だそうな。
勘当したので、ガイド本(日本語版)を買い求めてしまいました。

さてまた、乗り合いバスで空港に行って、アスワンにとって返す。アスワンに着いたのが2時半ぐらいだが、ここまで食事なし。早朝3時頃におきてるのに・・・ほぼ12時間食事なしだよ、トホホ。

遅い食事をとって、ホテルへ。一応一流ホテルとされているイシス・アイランド・ホテルなのだが、クーラーは効かないわ、冷蔵庫は冷えないわ、テレビはもちろん日本語版がないわ・・・あんまり良くなかったですな。

小休止のあと、ふぁるー科という帆掛け船でナイル川を渡る。気持ちよい。
夕食をとってホテルに戻る。

そんな一日。