Kosugitti's BLOG

アンドロイドは正規分布の夢を見るか

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2008 / 6月

STATISTICS HACKS

Statistics Hacks ―統計の基本と世界を測るテクニック

統計でハックする!という、まぁいかにも面白そうな本。統計学の入門書、というより読み物かな。妙に専門的で、軽いものを期待するとついて行けないし、真剣に議論することを考えると足りない感があったり、話が広がりすぎてまとまりがないように感じたりすることもあるかもしれない。
が、統計学を教える人が、「こんな小話があってね・・・」と導入に使うのには、便利でわかりやすくかかれている。
モンティ・ホール問題の解説は、この本が一番わかりやすかったかな。
あと、この本を読んだら、iTunesでちゃんとレイティングしようという気になります。
60のhacksに分かれているので、ちょっとした間に少しずつ読み進められるのがよいね。俺、買ったのは三ヶ月以上前ですし(笑)昨夜やっと読み終わりました。



疑似科学入門

疑似科学入門 (岩波新書)

もちろん疑似科学に入ろう、という話ではなくて、いかに偽物科学にだまされやすいか、だまされないためにはどうするか、という話。
疑似科学を三つの種類に分けている。第一種は科学的根拠のないもの。第二種は科学的根拠の悪用。第三種は複雑系など悪用とは言い切れないもの。それぞれ、血液型性格占い、マイナスイオン、地球温暖化説などが取り上げられている。

非常にわかりやすい本で、学生が科学に入門するにはいいんじゃないかな。



ヨハン・リーベルト

合宿研修二日目。今日のリクレーションは「巨大紙飛行機作り」。
新聞紙、割り箸、画用紙、ガムテープなどを渡され、大きな紙飛行機を作って非距離を競うというもの。
得点は機体の長さと非距離で算出される。

さて、各班がいろいろ考える中、我々はどうしたか。
新聞紙を対角線上にクルクルまわし、細長い棒にして、先端に割り箸を差し込み、末端に垂直・水平尾翼をセット。これで完成。形状は飛行機というより、ロケット。あるいは、矢。

一応、運営係に聞いてみたんだけど、「翼が付いていればOK」ということだったので。

この形状、もちろん長さでは一番。そして飛距離も稼ぎやすい。まっすぐ飛んでいって壁に刺さるほどだから。
おかげさまで優勝しました。機体の名前はヨハン・リーベルト。うーん、素敵。

周囲からは、[そんなの飛行機じゃねぇ」と散々言われたが、出された課題に対して真面目に考えた結果ではある。
細さ、強度を試したり、尾翼は水平だけじゃなく垂直水平の方がいい、それだけでいい、とか、色々工夫する楽しさはあったし、各班が練習中に少し高いところで引っかかってしまった飛行機を落としてあげるのに役立ったり(ただの棒だから)、なかなか使い勝手の良い作品なのだ。

まあでも、例えば教員が小学生相手にこの課題を課して、ヨハンみたいなものを作られたらどうやって指導するかなぁ。真面目にやれ、と怒るのもどうかと思うし(真面目にはやっているのだから)、よくできたね、と素直に誉めるのも心苦しいんじゃないか(笑)うまくやらないと教室の雰囲気も悪くなるだろうな、ただの棒が優勝したとなりゃあ。

ところで、帰り道に携帯の電波が入ったところで、学生にwikipediaで飛行機を調べてもらったら、「本体に翼がついていて、揚力を得て飛行するもの」とあったそうだ。揚力か!ヨハンにそれはなかったな(笑)。運営係は、飛行機の定義をきちんと調べておくべきでしたね。



倍増する生物について

サマーキャンプあらため宿泊研修に行ってきました。
雨の中、徳地少年自然の家にて、さまざまな活動に参加。
最初にやったのがフィールドビンゴ。ビンゴ上に配置された写真マップをもっていき、場所と数字を合わせてビンゴになればよい、というもの。
途中で学生が居るポイントがあって、クイズを出されたり。

さて、今回出されたクイズに、次のようなものがありました。

生物AとBがいる。
AはBを食べて生きる。
AはBを食べると、倍に増える。
BはAに食べられると、残りのそれぞれが倍に増える。
(例、Aが一匹、Bが三匹いると、Aが一匹たべて二匹に、Bは残り二匹が四匹に増える。)

さて、A1、B20から始まった場合、何ターンで全てのBが食べ尽くされるか。

雨の中、紙と鉛筆で計算してみたが、式の立て方を間違えて失敗。結局班員が適当に答えて正解したが、どうも腑に落ちなかったので、その後ずっと考えてみた。学生と一緒に泊版を使って書いてみたりして、お昼前にやっとこさ答えを得たような次第。読者の皆さんも、一度やってみて下さい。答えをしたに書いておきますから、見る前に。

その後は飯盒炊爨。今年はマキが良く燃えたので、火をおこすのに苦労はなかった。
が、ある班員に野菜を切るのを任せたら(メニューはカレー)、「え、にんじんって皮むくのですか」と切った後で言われたり、「ジャガイモの芽を取る?はぁ?」とか言われたりしたので、大変でした。お味は上等でしたが。

夜の討論は、グループ内での議論だった。これだとつい、私がえらそうに意見を言ってしまうので、どうにもうまくない(自重しろ、といわれたらその通りなんだが)。

自然の家なので、夜は0時まで・翌日は7時から朝の集い、と決まっていたから、夜通し飲み続けて次の日大変、ということもなく、むしろ大浴場に入れたりなど、なかなか楽しい一日でした。

答え。ネタバレ注意。下の表の通り、20回で終わります。Aは2のn乗のペースで増える。Bはx^{t+1}=2*(x^{t}-2^{n-1})のペースで減り続ける、差分方程式になります。

ターン 食べる(e)/倍増(d) A B 比率
1 e 1 20 1:20
d 1 19
2 e 2 38 1:19
d 2 36
3 e 4 72 1:18
d 4 68
4 e 8 136 1:17
d 8 128
5 e 16 256 1:16
d 16 240
6 e 32 480 1:15
d 32 448
7 e 64 896 1:14
d 64 832
8 e 128 1664 1:13
d 128 1536
9 e 256 3072 1:12
d 256 2816
10 e 512 5632 1:11
d 512 5120
11 e 1024 10240 1:10
d 1024 9216
12 e 2048 18432 1:9
d 2048 16384
13 e 4096 32768 1:8
d 4096 28672
14 e 8192 57344 1:7
d 8192 49152
15 e 16384 98304 1:6
d 16384 81920
16 e 32768 163840 1:5
d 32768 131072
17 e 65536 262144 1:4
d 65536 196608
18 e 131072 393216 1:3
d 131072 262144
19 e 262144 524288 1:2
d 262144 262144
20 e 524288 524288 1:1
d 524288 0


車検で代車

車検に出している間、Tiidaに乗りました。
f:id:kosugitti:20080627100741j:image

確かに高級コンパクト。革張り、ひじかけ、それでいて小回り。
でもやっぱり今のマーチの方がいい。

車検はバッテリ、タイヤなどいろいろ交換する必要があるようで、結構な出費です・・・(涙



御大

自分の中でまとまってないのだけど。書いて二度ほど消したのだけど、どうしても書かずにおれぬ。
心の中のもやもやが、私をテイカイに導いてくれています。

いくつかの徴候があって今のその「思うところ」に達しているのだけど、それは挙げるなら

  1. 広大GDでのWSにて、H御大の宣戦布告
  2. 広大GDでの別のWSにて、後輩S(というよりむしろK)の発表及びU先生のリプライ
  3. 乙コンにて学生W君の「相対主義でイイじゃないですか」発言
  4. C先生の献本、及び御礼のメールにあった「statisticalよりsubstantive」という言葉
  5. K名誉教授のお講義

などから構成されています。勿論根底にはF先生のシステム論があるのですが。

まぁ何か、というと、一世代前の先生(H御大やK名誉教授)の言うことはいちいちもっともなんですよ。目標は遠く高く実際的で理論的。「我々が命と見立てた心理学がこんなものであるはずがない」というテーゼ?は納得します。ただ(敢えて無礼を承知で言うが)、年齢のせいか、自説に固執し、応用性がなく、細部が曖昧で、建設的ではないお話があって。もちろん、お話を伺うときは「仰ることを全部吸収しよう」と思うのだけど、欲を言えば言葉の端々に食ってかかりたい。

とまれ、なべていうと昔の人は今の心理学を「そんなもんが心理学かいな」というわけです。
で、次の世代の人はそれを受けて、何とか学問になるような心理学を目指し、結局(いわば)小さくまとまってしまう。悪く言えば、悉くあっているのだけど大きく間違ってしまう、という罠に陥っている。

我々はそれもわかっている世代だから、初代の意志を継ぎ、第二世代の轍をふまず(見習えるところは見習います、もちろん)、自分達の答えを作っていかねばならない。

出来れば急かさないで!業績主義の世の中であることはわかるけど、業績主義がアカデミズムを殺してしまうのでは本末転倒だ、ということが前提で行きたいので。まだ答えは出せないんです、きっと。もっとじっくり取りかからないと、心の本質は見えてこない。

物理、生理、心理。定量、定位、定性。網羅的に考えつつ、出来るところを明らかにせよ。というK先生の講義は本当に大事だと思う。
「グループダイナミックスはそんなもんじゃない。失望した!」と言い切れるH先生は、間違ってはいない。でも「じゃあどうやるの」という問いにも答えなきゃ。答えるのはお前らの世代だ、というのはずるい。そりゃ年の違いはあるけど。
相対主義での限界は20年ぐらい前にきているんだよ。まだそんなことやってるのか、って笑われるぞ。
DSAが高度な数学的理論でもって、論を進めるのは正しい。しかし、我々はレヴィン同様、数学に恋いこがれる哲学者でもあるのだ*1。であればせめて、社会心理学者の責任でもって、正しく意義のあるデータをsubstantiveに(大量という意味もある!!)提供できるようにならねばならぬ。

コペルニクス的転回の前には、ティコ・ブラーエからケプラーに続く膨大なデータの蓄積、解析の段階があり、その後ガリレオ、ニュートンへと続いていくのである。心理学はまだその端緒についたばかりなのだ。
むしろ今は停滞するべき時期。たっぷり停滞し、低回し、アインシュタインの登場を待とうではないか。

ほーら、やっぱり酔いながら書くとまとまらないし。

*1:レヴィンを擁護するなら、彼の時代は数学が未発達で、彼のアイディアを具現化できるほどではなかったと言うことだ。今はできるか、と言われれば、「かなりできる。準備は整いつつある」という段階だろう。ただし、それは硬度に専門的な技術、たとえばNCや旋盤のレベルであって、まず原材料を鉱山から切り出してくるノミとツチが荒削りすぎるのだ。社会心理学会は詰まらぬノミとツチで公園の砂場をほっています。




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