大人の味

娘の指すいがどうにもなおらないので、マニキュアを買いました。
苦い味のマニキュア。
昨日、寝ている間にこっそり塗ってみた。
イタズラを仕掛けた気分。

案の定、夜中に起きていたようで、妻曰く「ゴソゴソ起きて、寝直して、もう一度ゴソゴソ起きたので、『おトイレ、いく?』といったら行った」という。
おそらく、自分の身に何が起こったのか、わかっていなかったのだと思う。

朝になっても同様で、少し早めに目覚めていた。俺が「どうしたー、トイレかー」というとトイレに行ったけど、やっぱり「?」と思っているみたい。しかも、指がどうのこうの、と言うと叱られるのがわかっているので、ソレも言えない。「お茶ちょうだい」とか「お口の中が何かヘン」とか、少しずつ言い出したけど。

仕事から帰ると、「もう指は吸わないのよ。四歳になったからね」という。妻と二人で「あ、そろそろ指が苦くなってきたかな?そういう年頃かな?」とうそぶいてみた。

今夜は指も吸わずに寝ています。夜中にもう一度、マニキュアを塗り足したけど、このまま無くなってくれるかな。だとしたら、効果覿面というやつだね。

ところが、これで収まらないのが俺の好奇心。苦いのか。苦いって、どれほどだろうか。かなり苦いのだろうか。大好きなことをやめるほどだからなぁ。試したいけど、なんか嫌だな。

でも、娘にさせて自分はしないというのはなんか悪い気もして、自分の親指の先に少し塗って、味を試してみました。

・・・ふむぅ・・・

これは、見事に、「苦い」。
ただ、「苦い」。
何かの味と混ざって、苦みがある、というのではなくて、苦い成分「だけ」を抽出したようなお味になっている。
ゴーヤなどの苦い部分だけ、という感じ。
大人はわかる味だし、何より親指をおいしいものと認識してないし、苦いものがあるとわかっておそるおそる舐めているから、まぁこんな感じなのです。
逆に、大好きな味のする(多分)指を思いっきり味わおうと思って、この味がやってきたら、そりゃぁショックだろうなぁ。
ごめんよ、大人になるって、そういうことさ。

下の子にも使う日が来るのだろうか。下の子は、まだ歯がないので、指を吸うのも止めてませんが。