JASPでプロット

これはJASP Advent Calendar 2021 の4日目の記事です。

JASPは最近,日本語翻訳パッチが当たりましたので,操作しやすくなりましたね!起動画面が日本語だぁ(Ver0.16の画面です)。

GUIなので初心者にも優しいJASP,ちょっとどんなことができるのか触ってみました。直感的に操作できるので,簡単に図を作ることができるのは嬉しいです。

特に「このデータが分析したい!」というのがなくても大丈夫。JASPはOSFと連携していたり,サンプルコードが豊富だったりするので,とりあえずサンプルデータを見ながらどんなことができるのかなー,というのを遊ぶだけでもOKです。今回はサンプルデータ,「開く」→「データライブラリ」からいくつか選んで遊んでみました。

 

記述統計から始めてみましょう。今回選んだSleepデータは2群の比較をするためのデータのようですから,変数にextra,グループ化変数を「分割」欄に入れて,記述表を書かせてみました。ふむふむ,二群の平均値にちょっとした差がありそうですね。

データは図にするのが基本,ということでプロットのタブを開くと「カスタマイズ可能なプロット」として幾つか提案がありました。

ここでは箱ひげ図にチェックを入れます。すると右側の画面に「ボックスプロット」として二つの群が出てきました。チェックボックスをつけると次々情報が追加されれていきます。バイオリン要素はバイオリンプロットの要素を追加するところですね。Jitter要素はデータ点を少しばら撒きながらプロットしてくれます。これを見るとどの程度データがばらついているのかが分かります。

色合いが「カラーパレット」のところで調整できるのは感心しました。しかもカラーブライドに配慮したパレットが二つ,ビリジアン系が一つ,ggplot2のデフォルトカラーパレット,レポート用にも使えそうな灰色系などが選べます。ふむふむ。

 

散布図が見たかったので,データセットを同じくサンプルに含まれる,Auctionに変えてみました(データライブラリ→4.Regression→Auction)。

とりあえずデータのヒストグラムを書いてみます。プロットのタブを開いた右側にある,「基本的な図」から「分布図」にチェックを入れると,すぐに分布を得ることができました。

同じく「基本的な図」の「相関のプロット」を選ぶと,各変数の組み合わせと散布図の図が描けます。スルッとかけて気持ちいいですね。

プロットタブの左列,「カスタマイズ可能なプロット」のところにも散布図があり,そこを使うと散布図の上と右にヒストグラムや密度カーブを書いてくれます。これは嬉しい。

回帰直線も(信頼区間つきで)プロットできますから,散布図から分析のヒントを得るにはもってこいですね。

図の横にある小さな三角ボタンをおすとサブメニューが出てきて,これらの図をコピーしたり保存したりすることができます。

保存の形式も色々あります。後でこれ,翻訳チームに報告して,次のバージョンでは修正してもらおうと思いますけど,ファイルタイプが正しく区切れてないですね。png, pdf, svgはいけそうなんですが,eps,tiff,pptx形式はバグって選べなくなっています(全部pptxになるみたいです)。まあpngは使えるので,とりあえず致命傷ではない・・・かな。それにしてもファイルの種類まで訳さなくていいんじゃないのw(pngはポータブルネットワークグラフィックスの略だったんですね。知らなかった。)

 

まあまだバージョン0.16ですから,バグが含まれているのは仕方のないことかも。私も日本語化チームの一員なのですが,皆さんも使っていて何かお気づきの点がありましたら,Twitterアカウント@jasp4jp までご連絡ください。もちろん私(@kosugitti)に連絡いただいても結構です。

 

JASPユーザの会は,JASPの日本語化や,JASPを使った統計テキストの翻訳などを行なっています。私は先日このテキストの5章,JASPでプロットのところを訳しました。著者は,JASPで基本的な図は書けるけど,凝った図を書こうと思ったらggplot2がいいねー,とのことでしたが,ggplot2で散布図の周りにヒストグラムや密度プロットを書くのはちょっと面倒だと思うので,JASPの方が優れているところもありますねえ。

 

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カテゴリー: JASPR