Kindle Direct Publishingを利用してみた

タイトルの通りではありますが,KDPをつかって授業資料をペーパーバック版で販売はじめました。

この2年,コロナ禍によって授業がオンライン対応することになり,これに関連してシラバスを精緻化し,さらにシラバスに対応した授業資料を用意しました。この授業資料は,要するにしゃべっている内容を全て書き起こしたもの。まあ文章なので話し言葉では無いし,引用等が丁寧にできる利点はあるけど,当然のことながら書くのはしんどかった。前期・後期で30コマ分の原稿を書くと400ページぐらいになりました。

基本はサイトでPDFを配布しています。PDF内部でリンクも貼っているので,できればそのまま電子版で利用してもらいたい。あと誤字脱字が多いので,日々修正し続けてましたから,オンラインで最新バージョンを常に確認してね,と学生さんには伝えていたんだけど,学生さんって意外とプリントアウトして使うのね。

であればこちらから資料として配ってあげたいけど,ページ数もかなりあるし,毎回印刷して配布するというわけにもいかない。授業はハイブリッド,対面でもオンラインでもOKにしてあるから,当日授業に何人来るかわからない。ということで配布するいい方法を探していたところに見つけました。

このKindle Direct PublishingはPDFファイルを入稿すると,オンデマンドで必要に応じて印刷した本を送ってくれます。オンデマンドなので在庫ゼロ。初期投資もゼロ。まさに今回の目的にぴったりなわけです。ということで,ここ数週間はKDP対応を色々してました。

表紙のレイアウトだとか,本文を通読して推敲するとか,TeXのエラーがないかチェックしたりとか。細々した作業で,結局一ヶ月弱つかって納得できる内容に。一章書き足したりしたからなw

色々やって,新学期に間に合いました。一安心。これを業績にカウントするつもりはないし,これで儲けるつもりもない。値段は自分でつけられるから,タダでもいいんだけど一応価格は2000円+税とした。ページ数から印刷コストだけで1800円ぐらいかかるし,それ以下の値段もつけられないので,キリがいいところでそうしました。ちなみに一冊売れると50円ぐらいの収入です。儲けるつもりがないと言っておきながら・・・ではありますが,これぐらいは許してよね。

まあ同じ内容がリンク先においてあるから,学生さんはむしろそっちからタダで持ってって欲しい。「どうしても印刷物で欲しい人は」と案内するつもり。もちろんうちの学生さん以外の人でもお求めいただけますよ!むしろあの内容が2000円なら安いんじゃないですか!うちの学生さん以外はAmazonから買ってね!

 

ということで,KDPという経験は面白かったです。実は以前,GoogleBooksでRの電子本を出したことはあるんだけど,当時はAmazonとかできなかったからなあ。編集さんが入ってないから,文章のチェックは素人レベルですが,それもtextlintに助けてもらったり,版組はTeXをつかったり,と個人でできる世界も広がってきたな。選択肢が広がったのはとても良いことだと思います。