人の情け

水曜日で講義は終わり。今日はラス2。
とはいえ、一日ごとに学校が変わるから、今週は毎日店じまいの挨拶。
半期の取りまとめや試験情報なんかを喋ったり。

帰りは雨が降っていた。傘を持ってない。
うあー、背広の日に雨が降るのは嫌だなぁ、と思いながら身を縮こまらせて歩いていた。
それを見かねたのだろう、後ろからとあるおばさんが「兄ちゃん、駅までやったら傘に入っていくか」と声をかけてくれる。娘さんを駅まで迎えに行くところだそうで、手にひとつ傘を持っているのだ。

ご好意をありがたく頂戴する。
人の情けが身に染みる。

ところで、これを「大阪の」人情だという言い方はしたくない。
大阪の下町での出来事だったが、この喜びを大阪に限定したくないのだ。

大阪人は何かと「これが大阪のいいところだ」と、無理矢理アピールしようとする嫌いがあって、人情だとか、人のふれあいだとかを前面に押し出そうとする。
私に言わせれば、それは日本全国どこにいってもあっててほしい(自分もそうありたい)のである。

偏見だが、東京はきっと、この手の人情が有意に低い水準にあるんだろう。都会化することで、その代わりのものを手に入れたから、それはそれでよい。俺には合わないだけで。

日本はまだまだ捨てたもんじゃないのである。