やくすっぽ

 なんのやくすっぽにもたってへんやないか。(F先生熱く語る)

 昔の指導教授の授業を録ったテープがある。車の中で、一人になったら、こっそり取り出して聞いている。心理学の復習にもなるし、話術の勉強にもなる。今日は「大学に何しに来てるんだお前ら馬鹿ちんが」という、一番熱く語る話の日であった。
 この話は特に面白くて、何度か聞いているのだが、そのせいでテープが延びてしまっている。いつもの先生の声が、甲高く聞こえてオカシイのだが、それでも内容はしっかりと伝わる。
 もっと色んな人に聞かせてやりたいぐらいだ。

 その中で、熱くなりすぎて「大学が何の役にも立っていないじゃないか」という言葉と、「ろくすっぽ〜・・・」という副詞がひっついて、「何の役すっぽにもたってへんやないかぁ〜!」となっている。この人はこういう言い間違えや、わけのわからん擬態語(〜と〜はほとんどパチパチです、等)が飛び出す。聞いていて面白い。

 これだけ熱く語ると、聞く方も腹が立つより、引き込まれて感心するんだな。
 聞き惚れている自分に改めて気づいた。

 知り合いのM先生も、指導教授の名講義を録画したものを、毎年春になると見直して、気合いを入れるという。

 熱い気持ちのおかげか、博論の一章を書き終わる。資料が足りないし、まだまだアナだらけだが、ver1.0はこれでいいのだ。