天地明察を読んで

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(上) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

天地明察(下) (角川文庫)

日本独自の暦,大和暦をつくった安井算哲(渋川春海)の物語,天地明察を読んだ。

この話,偉人伝のように思えるが,私がひしひしと感じたのは主人公の活躍よりも,主人公の活躍の場を作った周囲の人たちが,何よりすごかったのではないかと思う。

 

仕事の大きさを見積もり,どの程度の力量を持つ人間にどの程度の時間をかけて仕事を与えれば良いか,ということに関して,水戸光圀,大老の酒井忠清保科正之など周囲の「大人」たちが,まだ若い春海を信じて託して事業をさせている。

こうした仕事環境を与えられたこと,いい人に囲まれたことが何よりも主人公の才能だと思う。

 

具体的にどのような作業をして,どのような計測・計算をしたかについては描写されていないけど,それは求め過ぎというもんだろうなぁw 数学小説じゃないし。

 

ヒロイン役のえんもいい味を出しているのだけど,時代背景もあって,恋愛話をしていないのがいい。恋愛がなく,まだ情しかなかった時代だ。だからこそ色っぽい,艶っぽいんだけど。

だから映画には期待しない。きっと恋愛的要素が強く入ってくるだろうから。

 

大変良書でした。電子版で読んでも良かったかな。

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