ハラスメント研修

ハラスメントの研修を受けてきた。セクハラはもちろん、パワハラにも気をつけましょうとのこと。
一時間もビデオを見せられる。正確には、先日の研修を録画したビデオを見せられる。なんぞこれ。

さて、もう見ていて笑うしかないのだが、真面目に考えてみると、結局の所「語の用法」の問題に尽きると思う。
すなわち、ハラスメントが何かを定義していない。ハラスメントを無くす態度、防ぐ組織、起きたときの対処法、こういうときハラスメントといわれます、というのはあるのだが、何をもってハラスメントというのかは事例の中にチョロッと「相手が不快に思ったら」と書いてあるに過ぎなかった。

心理学をやることは、言葉の用法に敏感になることでもあると思うのだが、そういう意味で操作的定義のできない話につきあわされるのは苦労した。ツッコミどころ満載だからである。

例えば、関西弁で「アホか!」というのは相手に威圧感を与えるから良くないらしい。しかも、そういうヒトは大概そのことに気づいてないという。対処法は、というと「普段からそのような言葉遣いをしないようにする。」
私も確かに、非関西圏に赴任して、関西弁がキツくきこえる、という声を聞いた。しかし関西圏では、アホか、というのは愛情表現でもある。注意するようにはしたが、生まれもっての言葉を(公的な場所で!)使っては行けないというのは逆の人権侵害だろう?

例えば、両手を頭の後ろで組んで足を机の上に乗せるような態度は、相手に威圧感を与えるから良くないらしい。疲れてそうするのであれば、対処法は「屈伸運動をしましょう」という。そうくるとは。

例えば、意図的に低い評価をするのはパワハラになるらしい。しかし、無意図的に低い評価・高い評価をするような教員で良いのか?良いはずがない。教員たる者、評価すると言うことに責任を負わなければならないので、ハッキリと「駄目なヤツは不可!」と意図的につけるのである。だから、単位を出さないとか、学位を与えない、卒業させないことがパワハラになるのではない。

もちろん、上の三つのツッコミは(その他にもツッコミどころ満載だったのだが)、過敏すぎる反応なのである。揚げ足取りなのである。それはつまり、揚げ足を取られるような定義・用法になっているからだ。

例えば最後の例、低い評価をすることについては、その理由の説明がなければならない。学術的な理由以外で(外見や宗教・信条等の理由とかで)評価をするのはイケナイ。しかしそれは、真偽のゲーム上で真偽のゲームをしなかったことで裁かれるのであって、低い評価をしたから(=偽を偽と証明したから)ではない。

研修ビデオではその辺が曖昧になっている。威矢賀良瀬教授は、「君の発表はなってない!」と言う。これは問題ではないのである。対する学生が、「いえ、私はこんなに下調べをしてきました!」という。しかし、この反論も間違い。たくさん下調べをしても、正しくない議論は正しくない、と評価する権利も責任も、教員にはある(ちなみにビデオでは、明らかに工学的なゼミだったのに、反論時に出したのが英和辞典や国語辞典。そんなもん何頁開いても正解にたどり着かないだろう)。

しかし、「君は可愛くもないし若くもないから指導しない」、というのは間違い。真偽のゲームじゃないから。
単純なことなのだけど、この二つのルールを混ぜて一人の人物像として紹介し、ほらパワハラは駄目、というのは間違っている。

しかも、学生が「我々は教わりたいことを教わる権利がある!」といって締めようとする。これも間違い。教わりたいことが、常に真実とは限らない。「単純接触効果なんか、知りたくもなかったのに、無理矢理教えられた!パワハラだ!」とか言われたらどうしますか。「ソシオン理論なんか、知りたくもなかったのに、無理矢理教えられた!パワハラだ!」と言われたらどうしますか(笑)
学生が知りたい話をするのであれば、最近見たテレビの話とか漫画、アニメの話をしてればいいって事になる。それは違うでしょう。

ことほど左様に、ハラスメントの定義を明確にせず、誇張し、拡大適用して、警鐘を鳴らすのです。その警鐘のうるさいことと言ったら!!!無駄な警鐘は、社会的損失であることになぜ気づかないのか。優秀な教員の時間を占有していますよ(自分がそうだとは言いませんけど)。全職員にそれを無理矢理見せるのはハラスメントじゃないのか(笑)いやー、働くって大変だなぁ!(笑)

私の考える解決策は、簡単だ。
どこからが刑事罰になるのかを明確にし、刑法に触れるようなことがあれば、法律以上に罰する(即時解雇など)ように周知徹底すればいいのだ。事例としてあげられていたハラスメントは、そりゃあひどいものだった。殴って怪我をさせるとか、酔っぱらって女性の服の中に手を入れるとか。でもこれって、単純に刑事罰ですよね。もうそれでいいじゃない。刑事罰だと、起訴には至らないようなちょっとしたこと(ビンタたしたとか)でも、大学内では懲戒免職です、というルールが決まっていれば、やる人いないって。いたら、罰したらいいって(笑)

ハラスメントを認めないんじゃない。過剰なハラスメント情報をばらまいて、生きにくくさせるなって事です。
ほとんどが非紳士的行為(ふんぞり返る、大声を出すなど)で、それは個人に帰属させられるべき問題。態度悪いヤツやな、品のないオッサンやな、という話、そこまで。
それを超えた、刑法に触れるようなこと(暴力や名誉毀損)は、学外で、法で裁けばいい。
グレイゾーンはどうするんだ、って話になりますが、それは裁けないのです。だからグレイなのだ。

グレイも裁くぞ!っていう話であれば、徹底的に闘うぞ。だって、関西弁喋られへんかったら生きていかれへんやんけ!!!

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