試論

夫婦は何重にもなった関係性が絡み合っている。重要度から順に考えると、次の三段階ある。

0次・・・基本的信頼関係の次元。単純に言えば、愛情による結びつきの次元。セックスなど肉体的接触も関係するレベル
1次・・・生活関係の次元。夫婦の職業形態や、「休日の過ごし方」など、ライフスタイルの次元ともいえる。教育方針など、子供・家族に関するレベルでもある。
2次・・・個人的嗜好の次元。趣味、嗜好、習慣など、変えようと思えば変えられるところ。夫婦関係から離れて、個人的に決定することができるもの。

結婚することに抵抗がある人は、基本的に2次のレベルだけで満足しており、それより上位の規範を持ちたくないと考えることが多い。
結婚して不満を持つ人は、いずれの次元に置いて葛藤が生じているかを明らかにする必要がある。基本的に、0次の関係に不満がなければ、結婚関係は維持すべきである。逆に、他が良くても0次の関係が悪ければ、良い結婚生活は望めない。
もっとも、この次元は人によって未整理であることが少なくない。すなわち、人によっては、本来下位に来るはずの次元を、上位の次元に比べて重視するために葛藤を感じている場合がある。・・・

これは別に、学術的な感じで書いているが、根拠があるわけではなくて、「人生訓」のようなものとして捉えていただきたい。

ここで示したかったのは、関係科学(ソシオン理論)の視点に立ち、理論的に重要と考えられることを、普通の人でも分かる事例、表現に変えて論じることができる疑似科学書が作れないか、と思ったというだけの話である。

これを例えば、「学校生活編」、「恋人関係編」、「育児論」、「リタイア後の過ごし方」、「引きこもり方とそのやめ方」、といった各論にすれば一冊の本になるんじゃないだろうか。もっとも、専門書でも一般書でもない、どこをターゲットにしたのかわからないようなものになりますけど。

ひとつには、社会的規範が多様化している現代、批判されることもあるだろうけど、(関係科学という)ひとつの支点を持ったらこうなりますよ、という一例を表明できるのではないか、と思ったような次第。

まぁ科学者の仕事じゃないか。