鎖骨をおりました

火曜日は一限だけ対面授業で、昼からずっと会議なのです。会議は最近全面オンライン。

授業をオンラインに出来ればいいんだけど、大学院の方はなぜかお達しがなく、4月当初に決まった「大学院は人が少ないから対面でいいっしょ」というルールのまま。昼からも対面の予定があれば良いが、そうでない時は一限だけ大学に出るのが面倒なので、先週は休講にした(ゴールデンウイークだったし)。しかし流石に、面倒だから休むというわけにもいかず、今回は朝イチで行って、終わるやいなや帰って、自宅でオンライン会議に出てやろうと計画。まあこれも仕事、自転車で行き来したら運動にもなるし、と言い聞かせながら。

この辺りは勾配が激しいところで、帰りは最後の坂を下れば気持ちよく駆け抜けられるところが多い。今回も「あー、最後の坂に来た」というところで滑走し、曲がり角に飛び込んだら、前に車がありまして。

アイエエエエエ!とフルブレーキ、幸い車に接触する前に止まったけど勢いで俺は前に投げ出されて、右半身強打。

しばらく息もできぬほど苦しかったし、強かに打ったので、うぬなぬな、となってたところ、運転席から降りてきたお婆さんが「大丈夫ですか……」とオロオロしてる。すみません、こちらが飛び込んできたのにね。痛さでしばらく声も出なかったんだけど「ちょっと待って…時間が経てば大丈夫だと思うんです…」とだけ答える。

実際、服もズボンも破れてないし、メガネも携帯も無事。骨伝導イヤホンから流れる「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」がプロレスネタで笑いを提供し続けていた。左はともかく右手の腕も動く、手もグーパーして大丈夫、うん、どえらく打っただけだな、と思う。おばあさん、救急車を呼びましょうかというけど、それには及びませんよ、というと申し訳なさそうに車に戻って行っちゃった。

さて痛い。で、肩のところを触ったら明らかに変な形になってる。これが「鎖骨を折る」というやつか!とピンときた。まぁ診てもらわないとあかんけどね。という事で、家の近所の整形外科に行こうと意思決定。少なくとも30分後の会議には間に合わない。ので、同僚に電話。会議は任せました…と伝えた。その後の会議も無理かもな、と思ってのでボスにも電話。こういう時、社内SNSの通話システムは助かる。骨伝導イヤホンマイクも生きてるし。「事故りました病院行きますスミマセン」という連絡なので驚かせてしまいました、すみません。

その次に妻に電話。事故ったというと驚いてました。そりゃそうか。近所まで帰ってきてるから、歩いて整形外科行くから、と伝えたんだけど、しばらく歩くと前から妻が走ってきた。愛されてるなぁ俺。

打ち身の痛さはあるけど、それ以外は普通なので、妻も一安心の模様。押してた自転車を預け、飲みかけのペットボトルとイヤホンマイクを持って帰っててもらって、歩いて病院へ。

すげぇ痛いし、肩のあたりおかしな形してるから多分骨折、こりゃ真っ直ぐにする手術がいるだろなと素人判断してたけど、結果はやはりその通りで。駆け込んだ町医者ではレントゲン撮って確認しただけで、すぐに大病院に紹介状書いてくれた。この頃になって脂汗たらたら出てきたんだけど、先生曰く「大怪我ではない」そうです。そういうもんなのか。まぁ自分で歩いてるしなぁ。

タクシーで大病院へ。神奈川は医療崩壊してなくてよかったです。それでも患者は多く、医者は忙しそうだ。つまり、待たされまくったのである。たっぷり待って、「手術になると思うのでこちらでもレントゲンとCT撮ります」、と言われ、移動して、戻ってくると今度は先生が変わった。開口一番「常勤のXXXです」って言ったから、さっきの人は非常勤で手術はしないんだな。その引き継ぎのせいかな、待たされたのは。んで、手術なので、採血、検尿、心電図、あと違う角度からのレントゲン。体の向きを変えるのもイテテってなるのにまた巡回ですか。

手術って、その日のうちにやって、1日2日で退院だろなと思ってたけど、月曜日にならないと手術できないらしい。月曜の朝手術するためには土曜から入院するらしい。あれまぁ、何だか大ごとだわ。でも仕方ないよね、ということです本日の診察は終わり。

ところでここまで処置なし放置なのです。幹部を直接見ることもなく、レントゲンで見るだけ。常勤先生が「処置も何もなし?とりあえず三角巾くらいはあったほうがいいよね?痛み止めもなし?痛いよねー」と言いながら処方箋書いてくれた。事故ってから4時間、幹部は見られず手術も6日先。ふと「救急車に乗ってたら何らかの処置をしてもらい、早く楽になれたのでは」と思うが、どうしようもない。

入院の説明、労災の説明を受けて、会計が終わってから気づいたが、三角巾もらってない。これって処方箋に書いてあるのかしら、と思ってみたけど錠ってあるから違うよな。フラフラと整形外科コーナーに戻って、夕方の終わりかけてるところに「あのー、三角巾ってやってもらえます?」と聞いたところ、先生に確認したら「忘れてましたごめんね」とのこと。良いよ良いよ、そういうこともあるよな。ホンマ忙しそうだったから。看護師さんに三角巾つけてもらって、やっと怪我人らしい見栄えになりました。それまではただ動きのノロいおっさんだったからな。

病院前でタクシーを呼んだら、バッテリーがゼロになって黒い画面になってしまった。放置されてて辛い間、Twitterランドのみんなにかまってもらったりしてたのです。痛いし暇だしって時に、本当にいい気晴らしだわこれ。でも、当たり前だけど、字面だけだと「鎖骨折れたかも」ってのも情報として処理されちゃうだけだよね。痛さ、苦しさ、そしてブレーキいっぱいひきしぼってた時に感じるのは、「生きてる」という実感です。痛いのは嫌だしダメだけど、生きてるヒリヒリ感をもっと持たないとな。

データ解析とかしてるときも、データの奥に生きてる感じがしてないとダメなんですよ。ただの数字、数式、モデルじゃなくてな。数学の世界はきれいだけど、生きてる世界はヒリヒリするから良いんだ。恐れずにただの数字じゃねぇかと思いつつ、敬意を持って統計モデルをだなぁ…

などと説教臭くなるのはおじさんだからだね。あと今はおかげさまで痛み止めが効いてるからだな。痛い時は痛いからやだよ。生きてる実感は程々で良い。

手術もすこーし怖いけど、まぁ悪いの俺だし、手術しないといけないだろうことは納得済み。何より全身麻酔初体験なので少し楽しみですらある。問題は手術2日前から入院するので退屈だろうということと、コロナのせいで付き添い面会全面禁止ってことだ。妻に甲斐甲斐しく世話されたかったのだが。

術後もいろいろ不便はありそうで、方々に迷惑をかけるかなと思います。Twitterで暖かい言葉をかけてくれた友人、同僚、ありがとうございました。落ち込んだりもしたけれど、私は元気です。

Author: kosugitti