研究者とお笑い芸人の共通点

お笑い芸人は、例えば道端で出会った一般人に、「あ、お笑いの人だ、何か面白いこと言って」と無茶なことを言うと、芸人は困惑するわけです。お笑いというのは、笑いを提供する場、空気、準備、イントロ、全て整えた上で最高に落差を感じさせる一言を言ってドカンと笑わせるわけで、何の準備もなく道端でいきなり、というのは無理なわけで。

一般人も、例えば歌舞伎役者に「あ、歌舞伎の人だ。ちょっとやって見せて」とは言わないわけです。同様に、歌手の人にいきなり「ちょっと歌って」とも言わないわけです。

同じ笑いの芸でも、落語家に道端で「あ、『まんじゅう怖い』のオチやってください」とは言わないわけで。このお笑い芸人との差異は、落語、歌謡、歌舞伎は芸として認められている、というところです。本来お笑い芸人はどんなレベルであっても、「面白いこと」を追求する芸術家であり、道端でできるものではない。が、多くの人はそう気づいていない。ので、代わった人=ちょっと下の人、と見下してしまう。もちろん、「笑い道」を目指していない芸人(ただテレビに出たいだけとか)もいるから難しいんだけども。

さて、研究者の場合。語弊があってはいけないので、一応「統計の研究者」と限定しておきますが、どこまで認められているか。

ここからが今日の愚痴なんだけど(笑)、申請書に統計ソフト一式、として計上してもらったとします。じゃあその内訳は、といわれるので、メーカーのサイトに行って価格を調べ、丁寧に内訳まで書いたとします。

それをさ。「この統計ソフトは、調査の時にどういう関係があるのか、疑義が生じたので明らかにして、至急返信しなさい」といわれたら、カチンと来ます。エクセルででも出来るだろう、といわんばかりの言い方です。

じゃあてめぇ、エクセルで固有値出してみろ。度数分布、散布図ひとつ書くのにも、不自由が多いソフトだぞ、あれ。最適尺度法やってみろ。二分木書いてみろ・・・と言いたくなります。

悔しいのは、「調査研究やるから協力して下さい」と言われて(請われて)行って、やれといわれたからやりますが、こう言うのが要りますよ、といったら「ホントか?説明してみろ」って。失礼な話じゃないか。

これは結局、社会調査をやる人間の地位がまだまだ低いことに原因があると思うのです。
安い芸人に、「テレビに出してやってもイイから、ちょっとネタをここで見せてみろ」とスタジオ裏の廊下でディレクターに見下ろされている感じ。

ここまでひどいことはそうそうなくて、平均的なレベルで言えば、表面的に「調査の専門家だから、きっとイイコトをやってるにちがいない。ね、先生」という感じで、一旦持ち上げてくれているところまで来ている。
でも内心信用されてないというか、結局何だかわからんことをやっとるな、という感じなんでしょう。

確かに小難しいことをやってるのは認める。こちら側の説明責任はかなりあります。もっと対話しなければならない。
でも、難しいから、という理由で持ち上げたり蔑んだりしないでくれ。そちらも理解しようとしてくれ。

舞台に登らせてくれるのですか。それとも道端でネタ見せさせられるのですか?

コメントは受け付けていません。