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- 採点の続き。ほぼ一日かかって採点をやり終えた。俺が彼ら(レポートを提出した学生達)の時分は、こんな文章を書けただろうか、と思いながら採点。客観的に見てみると、まだまだの文章ばかりだ。でも、科学論文を書いたことがない人間に、心理学の特殊数学を使いつつ言葉を書き連ねる、というのは大変なことだろうさ。今となっては、一般に授業で「レポート」といわれているものは、語弊があるから別の名称にして欲しいなぁなんて思う。学生が「あ、レポートね、ハイハイ、事実半分感想半分でいいんでしょ」という感覚で受け取ってしまってるんじゃないかと思うのだ。それとも、俺の授業で出してもらうヤツを「論文」と言ってしまおうか?
- 科学論文云々以前に、日本語としてなってないのもチラホラ見かける。例えば、五行ぐらい文章があって、読点がない、あるいはあっても二つほどだとか。逆に、読点がいっぱいあるとか。またあるいは、主格を示す助詞がふたつあるとか。カワイイのは、レポートだからと気合いを入れすぎて、日本語がおかしくなってしまうヤツ。例として、「〜は・・・であるのである。」
- まあ、端的に言って、タイトルにあるような原則が成り立つと思う。ゼミの先生曰く、英語でも、日本語でも、一つひとつのぶんしょうは、できるだけ短いものがよいとのこと。
- 私は、中学生の時に星新一さんの「短くならない文章はない」という言葉に感銘を受けた。その頃から、文章は短く短く、削れないぐらい短くする!というのを常に頭に置いてやってきた。もっとも、短文に情報を圧縮しすぎて、わけわからんといわれることもしばしばではあったが。ちなみに、それ以前の、小学生時分の私は、「長くならない文章はない」と常に思っていた。授業で「作文を書きましょう」のときは、みんなが「書くことがない、書くことがない、原稿用紙が埋まらない」と言っているのを尻目に、遠足の思い出と題して、朝起きて玄関で靴を履くまでに原稿用紙四枚分の文章を書いたことがある。結局、全12頁の遠足話ができたのだが、これは明らかに構成に問題があって、書いてる途中で嫌になってきて、五頁目ぐらいからすごいスピードで話が進んでいたっけ。その頃にボンヤリと、長い文章を書くときは、計画がいるなぁ、とは思ったが、それっきりだった−星新一に出会うまで。
- 話変わって携帯電話のデータ吸い取りソフト。サポートセンターに何度も何度も電話する。「再インストールしろ」というからやった。それでも結果が改善しない。もう一度電話したら、「○○というフォルダを消して頂けましたか。それがあると、再インストールしたことになりません」とかいう。一回目に言えよ、こちとら市外局番03にかけてるんだぜ!で、最終的には電話が繋がらなくなったので、メールにした。端的に「無駄なソフトに払ったお金を返してもらうにはどうしたらいいのですか?」と質問。
- これで諦めたかというとそうではない。ネットで少し情報検索してみると、どうやら良さそうなソフトがあったのだ。しかもDLして体験版が使えるそうな。物は試しとやってみたら、うまくいきましたよ!驚いたことに。皆さん、携帯データ吸い出しソフトは「ケータイ・リンク」が一番でっせ。早速オンラインで購入を検討中!
- 夕方、F先生に電話。メールの返事が欲しかったので。電話が繋がった時点で「あぁ、日本にいるなら話は早い」と思った。地理的に逃げる人なので。電話の内容は、みんなで共同執筆している本のはなし。原稿も一通り揃って、それっぽく全体像が見えてきたところに、いいコメントを戴きました。もっとも、そのコメントは、話の根幹に影響を与えるようなものでもありましたが。
- テキストは、読まれる物である。読まれるものである限り、読み手に優しくせねばならない。なぜなら、読み手は読まないという選択を刷ることができるから。ということで、結局学生のレポートにケチをつけたようなことを、そっくりそのまま先生に言われた様な感じだ。
- 折しも、後輩達は学術振興会へのプロポーザルに追われている。この種の文章も、読みやすく!わかりやすく!が基本である。この点は、売れる出版物(一般書、not専門書)を作るのと何ら違いはない。文体が平易であることと、魅力的であることは同値ではない。専門家は、厳密さを求めて専門用語を使いたがるが、それで魅力的であっても平易ではない。この両立は極めて難しい。研究者を志したときは、内容がよければ見てくれなんて、と思っていたが、それじゃあ駄目なこともあるんだと、最近つくづく感じさせられる。
- 尊敬する故・星新一が、一般からショートショートの投稿を募集し選定していた頃の、「書き方のアドバイス」は完成した文章を、誰かに読んでもらいなさい。本当に大事なことです。
- 共著者の皆様、仕事のゴールが少し遠のきましたが、よりよい物を作るためにご協力よろしくお願いします。頑張ってイイモノを作りましょう!