昨日の夕食時、妻が泣きそうな顔をしている。
気分が悪いのかと思って聞いたら、「陣痛?」という。
19日が予定日だし、昨日の検診で「ちょっと待ちましょう」と言われたから、当分かかるかと思っていたが、いきなり陣痛である。
ともかく、時間間隔をはかってみた。教科書通り、10分間隔で30秒ほどの痛みが来ているようだ。
とりあえずお風呂を沸かして入ってもらうことに。
この辺で予定通り、緊張してきた。
その後は時計とにらめっこ。8分ぐらいの間隔になることもあれば、10分空くこともあったりして、どう判断していいかわからない。
初産は10分間隔になったら病院に行くように、と書いてあるが、午前中の検診でまだまだ先のようなことを言われているし・・・ということで、とりあえず23時頃に病院に電話して、聞いてみた。
「今こんな感じなんですけど、入院したもんでしょうか?」
「じゃあとりあえず、来てください。診てみます」というお返事。
あわてるな、あわてるな、と思いながら、慎重に運転して病院に運ぶ。
「そんなに大きな痛みじゃないわね」とは言われるも、10分おきに痛みが襲ってきているようで。
真夜中にとりあえず診察が終わって、昨夜は泊めてもらおうということになる。
ところが、夜中の三時頃、陣痛が強くなってきたようで、「痛いよー痛いよー」という声で目が覚める。腰のあたりをさすってみたり、看護師さんを呼んで診てもらったりしていたが、四時頃にいよいよ分娩室に移動することになった。
移動してすぐ、「もうすぐお産が始まりますので、ご主人はこちらの部屋でお待ちください」と元いた部屋で待機を命じられる。
ここからも予定通り。「まんじりともしない」時間を迎えた。
テレビを十分おきにつけたり消したり。本を読んだり閉じたり。うろうろしたり座ったり。ドアを開けて分娩室の方をのぞいたりひっこんだり。
結局、そういうことを三時間やり続けて、何の動きもないからちょっと寝ちゃおうかしら、と思ったらドアが開いて、「産まれましたよ」と言われた!
分娩室から出てきた先生が、「あー、元気な子でしたよ。おめでとう」と言ってくれるのが嬉しくて、分娩室に入れてもらう。
妻もまだ必死の状態ではあったが、産まれたね、ありがとうね、というと「お、女の子やってー!」という。
というのは、我々は先生に前もって性別を聞いていなかったので、ビデオをみて勝手に男の子だ、と思っていたのだ。服も青と黄色が主体のもので、名前も「武司」しか考えてなかった。なのに、お、おんなのこぉ?
助産婦さんが子供を見せてくれて、ほーら女の子ですよ、という。確かにそうだ。
うわー、びっくりした。
妻はその後、まだ出産後半部(後産)が残っているので、私は分娩室を出て、新生児室の前で、自分の娘の顔を見てみた。ちょっと頭がでかいが、顔はかわいい。かわいいのさ。
七時を回ったところで、親戚筋に電話。
いきなり「産まれたよ」といったので、母も義母も驚いていた。そりゃそうよね。義母には昨夜一泊する、とは伝えていたが、次の電話がいきなり出産が終わったところなんだもんね。母にしても、週末より少し早まるかもね、と昨日の夕方話していた段階だから、いきなり最終段階に達したことを驚いていた。
まとめる。
3時から陣痛が激しくなる。
4時に分娩室へ。
5時に破水。
6時12分、出産。
2704gの女児でした。
こうしてみると、安産よね。
ただ、妻の「痛いー、痛いー」という声は、聞いていてつらかった。何もしてやれないし、原因の半分は俺だしなぁ。悪いが耐えてくれろ、と祈るばかりだった。
ごめんねぇ。ありがとねぇ。
ともかく、こうして我々夫婦は子供を得たのです。神様に感謝です。