日本シリーズは、昨日西武が勝ったことにより、三対三のイーブンになった。マスコミはこぞって「逆王手をかけた」という。
いつからこんな日本語ができたのだらうか。
王手というのは将棋から来た言葉でしょう。相手を追い詰めることを王手という。
将棋の場合、プレイヤーAがBに攻められ、王手を食らったとすると、それを逃れてからでないと次のアクションが起こせない。王を取られて負けになるからだ。だから、Aが逆に王手をかけようとすると、正確には
1.Aが王手を食らう
2.Aが王手をかわす
3.Aが逆に王手をかける(逆王手)
という三つのステップが必要である。
さて、日本シリーズの場合は、先に四勝したほうが勝ちである。今回は、
1.中日が王手をかける
2.西武も王手をかける
という2ステップしかないので、「逆王手」というのはおかしい。「逆」じゃないのだ。
「両王手」、「双王手」とでも言うのがせいぜいのところである。
まぁマスコミが変な言葉を作ったり、誤った用法を広めるのは今に始まったことではないが、こういうことに気づくセンスを持った人間とでないと、自分は友達になれないような気がする、という話。
それにしても、去年までこんな言葉はなかったと思うのだが。マスコミの影響力はすごいなぁ。