今年は教育に力を入れる年だから、前期はパワーポイントを使って教材を準備した。
これだと、AV機器に慣れている学生は、注意が前に向いていいだろうし、何より動きのある表現ができる。
しかし、後期は考えるところがあって、スライドをヤメにした。
それでわかったことがある。
スライドを使って授業をすると、教師や生徒のリズムがなくなる。機械的になりすぎるのだ。
自分が盛り上がったり、教室が盛り上がったり、あるいはその逆だったり、というときに、話を膨らませたり、横道にそらせたりすることができない。
後期は講義をしていて、気が楽だなぁ、と思ったら、どうやらスライドを止めたことがよかったようだ。
また、学生が自分で書き込むプリントorレジメは、その両方のバランスが取れていて良いのではないだろうか、とも思う。
自分で書き込むから注意を切らせないで済むし、体を使って書くということは教育的によい。ノートを取るペースをあわせることにもなるから、全体にまんべんなく伝えることができる。復習もやりやすい。
ただし、教員の負担はスライドの倍近く増える。スライドは言いたいことを言うだけだから、作るときは自分の要点だけまとめられるようにすればよいのだ(もっとも要点をまとめすぎて、学生にとってはわかりにくいのかもしれない)。しかし、自記式のレジメは学生の思考回路に沿ったプリントを作らなければならないので、作った後でシミュレーションして手直しをしなければならない。これが手間。
こうしていろいろ教え方を試行錯誤していると、教育の技術というのもなるほどな、と思わせるところがあって面白い。
そう考えると、当然のことながら、自分はまだまだ未熟。
しかしまぁ、最近は「まだ新米だから、勉強中」と思い始めた。いきなり立派な教育者になれるわけもない。ぼちぼちやります。