夢の話

こんな夢を見た。

大学の採用試験会場で、右手には多くの応募者が、左手にはえらい大学の先生方が。私は両者の間に司会者の台をもらって、議事進行係をしている。

応募者がやってきて、ずらりと用意された椅子に座る。各自の資料が教授陣に配られ、私にも資料として渡される。

応募者の中に、友人Kが紛れ込んでいるのに驚く。「頑張って採用されろよ」、と心の中で応援していると審議が始まる。しかし、友人Kの資料に教授陣が顔をしかめる。

まず、履歴書風の書類に「Akira Hirayama」と書いてある。これでは明らかに別人だ。住所や年齢、全て英語。写真だけ友人Kのもの。その下の大きな空欄に、英語でなにやらつらつらと文章を書いている。
次の資料は、書式が全く同じで「平山晶」と書いてある。写真は同じく友人Kのもの。その下の大きな空欄には、日本語でなにやらつらつらと書いてある。先ほどの英文資料と照らし合わせてみると、どうやら対訳になっているらしい。しかし、中学生が翻訳したのか?と思えるほど下手な翻訳だ。英文はキッチリしているのだが。
三枚目の資料は、正真正銘、友人Kの履歴書だ。住所や氏名、経歴などが日本語の、バッチリした書式で整えられている。

教授陣がこれらの資料を前にざわついている。
ふいに私は気がつく。
この募集に際し、応募者が出す資料は、自分の履歴書と「採用されたらどうするか」について論じたもの。後者は書式自由となっている。

友人Kが出した資料は、自由な書式が許されていることをうけ、履歴書風の書式で、しかも英語で書いたのだ。それを親切にも対訳という補助資料つきで!どうみてもマズイ訳は、ある意味わざとヘタにしていることが現れている名文なので、ここにも彼の独創性が反映されているのだ。

この書類が如何に独創的で創造性に富んでいるものであるか!
私は司会者の立場であることを忘れ、熱心に力説する。

しかし、教授陣には一言冷たく、「いいから議事進行して」と言われる。

なんだか様々な原因によって、見た夢だと思われる。誰か占ってくれ。