村上春樹のベストセラーを読む。
興味深いところは色々あったけど、なんでこれがベストセラーなのか、何でこれが名著なのかが全く理解できない。
性と死と狂気を扱っているという点は、漱石や太宰みたいな、文学の王道でしょう。プラスαがなかったように思う。
主人公が「ボンッ!」と行ってくれれば、私の採点はグッと良くなったはず。
これよりは「罪と罰」のほうが面白い。確実に*1。
俺の感性が悪いのか?
もっとも、読んではないけど「世界の中心で愛を叫ぶ」よりはいい話だろうな。
読んですぐ理解できないこと、というのがある意味では文学には必要なのだろう。私も読後、直子と緑と永沢さんの名前が漢字で、ワタナベ、キズキ、レイコさんが片仮名なのはなぜだろう、と悩んでいます。
割り切れない話が嫌なのではない。ただ、この本を読んで感動したフリをしているぐらいなら、仮定法過去や数列をしっかり理解した方が、人生にとって価値がある。
気に入らなかったのは、不用意に多いセックスシーンかな。
男性が書くセックス描写は、どうも男性に都合がよいように書いているような気がして、共感できない。女性はどういうつもりでアレを読むのやら。
ともかく、これから直木賞をもらったようなものを読みまくって、文学について考えてみようかとおもう。