今日は病院のはしごから始まった。患者は私じゃありません、妻です。
昨晩、彼女がのどの痛みを訴えるので、のぞき込んでみたら白いできもの?ができている。最初は扁桃腺が赤く腫れているだけか、と思ったが、白い斑点が不気味で、見たことのないものだったので、耳鼻科に行くよう勧めた(強要した)のである。
結局、のどが炎症して、膿んでいたのだが・・・変な病気じゃなくて良かった。
もうひとつの病院でも、別に問題ないと診断され、ものすごく安心した。
耳鼻科の朝は早い。ほとんど開院と同時に行ったのに、受付番号は14。仕方がないので、置いてあった漫画を読んで待つことにした。週刊少年ジャンプである。
そこに面白い漫画を発見した。「Death Note」である。最近連載が始まったばかりのようで、耳鼻科にバックナンバーが全て揃っていたので一から読むことができた。現在第7話ぐらいかな?
どんな話かというと、そこに名前を書けば、書かれた人間は心臓麻痺で死ぬ、というものだ。ただし、書く人は殺す相手の顔を知っていなければならない(そうしないと同姓同名の人が一度に死ぬから)。また、死因を特記すれば、その通りに死んでくれる。
で、これを誰が拾ったかというと、エリート受験生なのである。ま、そのへんのチンピラが拾ったら、ところかまわず人間を殺してしまうだけの、面白くない話になったことと思うが、このエリートは極悪犯罪者を計画的にどんどん殺していくのである。その結果、悪いことをしたら死にますよ、という教訓が世に広まり、良い世界ができるのではないかと夢見るわけだ。
これだけで終わるのではなくて、流石に極悪犯罪者とはいえ、世界中でバッタバッタと死んでいくのはどうにもオカシイ、ということでICPOが捜査に乗り出す。こちらもかなり敏腕な捜査官がおり、この捜査官とエリート受験生の知的なサスペンスが展開されていく・・・。
この他にも複数の複線があり(デス・ノートは二冊あるとか)、それが今後どう展開していくか、楽しみである。
しかし、週刊少年ジャンプには似つかわしくない漫画だな。成年誌でもできる話なんだが。ジャンプは相変わらず、努力・友情・勝利の三大原則に基づいたお子様向け漫画をたくさん書いている。売れている「NARUTO」や「ONE PIECE」も主人公の(特殊)能力や世界設定が変わっているだけで、基本はドラゴンボールの王道から外れることはない。最近ジャンプにも、エロ路線漫画が出ていたが(昔、桂正和が書いていた路線)、私見ではこういうのはマガジンやチャンピオンに載せるべきである。
マガジンは全体としての狙いどころがわからない。「はじめの一歩」のような、正当派スポ根があるかと思えば、未だにヤンキー漫画も載せているし。チャンピオンは「浦安某」と「バキ」しかしらん。どっちにしろあまりにも局所的な世界で、一般ウケはしない。
個人的に、学生の頃から推しているのは週刊少年サンデーである。お子様向け漫画(「犬夜叉」、「コナン」)があるのは商売として仕方ないな、と思えるし、「あ〜る」の時代から美しいギャグ漫画には定評があろう(「いでじゅう」なんかイイね)。藤田和日郎や河合克俊のストーリー漫画は読んでいて楽しい。「ファンタジスタ」などでスポーツもちゃんと押さえている。しかし何より、サンデーがよいと思うのは、そのチャレンジ精神である。上述のような王道をしっかり押さえておきながら、邪道もうまく組み込んでいる。全体としての、その割合が美しいのだ。今で言うと「改造」ですな。ああいうヤヴァいのがスパイスとして効くのである。
また、他誌との差別化を図るためか、様々な新ジャンルに挑戦している。競走馬牧場ラブコメとか、消防署員漫画とか(ドラマになってるなぁ)、競艇漫画とか。市役所員漫画ってのもあったな。終わりかけているが、商売人をテーマにした漫画や、ロボット部の学生がロボコンに挑戦する漫画とか。とにかく多彩な方向に手を伸ばしているのである。その開拓精神は、他誌を圧倒しているのではなかろうか。また、こういう恵まれた土壌があったからこそ、伝説的究極ギャグ漫画、「神聖モテモテ王国」が誕生したのであろう。
面白い漫画に出会えることは、大変に幸福である。私は、漫画だからといってバカにする大人にはならない。ただし、漫画だったらなんでも良いわけではない。面白くない漫画を惰性で読み続けるぐらいなら、専門誌の方がマシだと思えるのである。
漫画学でもやろうかな(笑)