9時5時

 9時過ぎに学校に着こうと思った。寝過ごして、10時前になった。

 駅で友人に会う。最近仕事がキツイとぼやいている男だ。現状を聞いてみた。大概ひどいみたいだ。でも、メールしてきていたような、死にそうな感じは無かったので一安心。
 彼も研究を志す者だが、二人して「お金なんかいらないから、時間がほしいね」という点で同意する。おそらくこれが、一般人と研究者を区別する最大のラインだろう。

 それにしても、昔の指導教授がいっていた、「お金がほしいっておかしくないか?お金を払って手に入れる、恋人の笑顔がほしいというのならわかるが」という教訓は真実だと思う。よくよく考えると、皆が欲しい欲しいと思っているお金は、あくまでも兌換性が高い媒体でしかないのだ。もっというと、兌換性が高いとみんなが信じることで(かろうじて成り立っている)媒体だ。あまりにも兌換性が高いため、これが目的だとみんな勘違いしているだけですよ。携帯電話というハードが欲しいのではないでしょう?携帯で友達と繋がり会える、喜びを分かち合えるという、サービス/ソフトが欲しいのでしょう?

 午前中は自分の仕事に従事する。朝から大学に出たのは、大量に印刷するものがあったからだ。大学には両面印刷できるレーザープリンタがある。もちろん紙も自前で用意する必要がない。なぜかハードコピーにしてからでないと、文章の校正ができないタチなので、これだけでも朝早くから学校に行く誘因に、十分なりうる。
 もちろん、図書検索など、学校でしかできないこともしてきたんだけども。

 後輩とお昼ご飯。一緒に食べてくれるツレがいて本当に良かった。たのしくランチ。

 昼からは、本学の先生が研究会発表をされるので、会場の設営などの仕事をする。手慣れた優秀な後輩達が揃っていたので、あっという間に終わってしまった。
 でもまぁ、こういうものは早すぎて問題があるものじゃない。5分でも遅れると、とたんにものすごく格好悪くなるのだが。

 先生の発表を初めて聞く。内容も面白かったが、プレゼンテーションに感心する。きれいなパワーポイント、流れるような説明。きっと頭の中がきちんと整理されていらっしゃるのだろうな、と思う。尊敬。

 その後、懇親会。院生ばかりのテーブルにつく。
 I先輩と過去の恥をさらしあう。氏は毒舌家で知られている。私は無礼を承知で、先輩に毒舌を返す。そこまで言える理由は、ひとつには、先輩との信頼関係がある(と思っている)から。またひとつには、嫌われても良いから、先輩の考えていることを著したもの−全力で書いた論文、できれば博士論文、を読みたいと願うから。
 期待してまっせ。