変なこと考えてる

 博士サラリーマン。

 博士号とったら、研究止めて一般企業に就職し、平均的日本人の職業であるサラリーマンとなり、日本人の多くが抱いているような夢、悩みを持ちつつ、幸せな家庭を・・・などと夢想してみた。
 普通の人と違うところは、博士号をもっているところ。息子に駄目な親父だなぁ、なんて思われつつ、「お前は知らないだろうが、実は博士号もっているんだよ」と心の中で威張ってみる。妻は何でこんな人になっちゃったんだろうという疑問を心の中に押し殺しつつ、とりあえず目の前の幸せな家庭のせいで思考停止。

 研究者として、やりたいことはまだ三つ残っている。でも、なんかこう、自由にできそうにない。それならいっそ、夢をあきらめるか、と思ってみた次第。
 別に、研究者としての現状を悔いているわけではない。むしろ、今は目標もあるし、やりたいことができる環境にある。でも、環境は整えば整うほど変化を生じさせてみたくなるし、今が楽しければ楽しいほど、楽しいままに終わらせたいとも思う。

 でもまぁ、無理だろうな。
 やめたら、きっと「続けとけばよかった」なんて思うんだろうな。
 隣の芝生は青く見えるってヤツなんだろうな。

 人生って、ちょっと不便だな。

 ちょっと不便ぐらいがちょうどいいんだろうな。

 昼まで寝ておきながら、贅沢なことを思い浮かべたものである。
 だいたい「かてい」の変換第一候補が「課程」の時点で平均的ではないか。

 終わり。