3時間目の罠

 四つの学校に通っている。

 学校によって、始業時間はさまざまだ。だいたいのラインは決まっているが、10分ぐらいの前後はある。
 3時間目の始まる時間は、私の教えに行っている学校でも13時、13時10分、13時20分と、最大20分のズレがある。自分が学部生時代は13時スタート、大学院生時代は13時10分スタートだったから、このどちらかのタイムスケジュールの方がなじみ深い。

 今日は第三のスタートパターン、そう、13時20分〜14時50分というタイムスケジュールの学校だった。今日はいろいろやることが多いのに加え、プリントの印刷に時間をとられたため、5分以上遅れていった。さらに前フリの話で学生の食いつきが良かったので、調子に乗って膨らませてしまった。イカンイカンと思いながら、本題に入ったのだが・・・
 そう、もうおわかりですね。焦りの気持ちが勘違いを生み、14時半で終わると思いこんでしまったのだ(13時から始まるパターンね)。後半になって、あっ、時間がない!と思ってしまったもんだから、かなり駆け足でいって、重要部分のキーワードだけ黒板に書き留め、すらっと説明をしただけで「はい、じゃあ終わり!」と言ってしまった。時計は14時半ジャスト。自分では「あー、ギリギリまでやった。」ってな満足感があったのだが、学生がキョトンとしている。
 最前列の子が「えらい早いなぁ」と言うのを聞いて、マジで驚いた。「あ!三時間目って50分までか!」
 私のこのセリフで「やったー!帰ろう帰ろう」と学生が盛り上がる。面白いもんだね、こっちが終わり、といった段階では帰ろうとしなかったくせにー。

 仕方がないので、持っている小ネタ、論理クイズで最後10分プラスαの授業をしましたとさ。

 その後は学術振興会の申請書作り。思った以上に難航する。書いても書いても間違っている気がするし・・・

 かえって妻に意見を求めたら「そりゃつまんないわ」と言われた。さすが、慧眼である。

 最後にひとつ、すごい話をしよう。「3Dゲームファンのための「Half-Life 2」エンジン講座(前編)ゲームエンジンはついに地球シミュレーションの領域に突入する!! 」という大それたタイトルに引かれてページをのぞいたが、これ、まじですげぇっす。ここまで画像がシミュレートできるのか!リアルタイムに!本気でバーチャルとリアルの境目がわからなくなってくる。
 わざわざページを開かない人のために解説をすると、たかだかゲームの世界なのだが、リアルな質感を求めるために全ての物質に物理的特性を持たせる、といった技を使うらしい。これを使うと、今までのゲームで無敵の存在であった壁やオブジェが、リアルな社会のように自由に変形できる。やろうと思えば、持っている武器で壁に穴を掘ることだってできるのだ。
 さらにもうひとつ感動したのは、顔のシミュレーション。顔面表情のCGが、本物と見まごうばかりになってきているのは、FFのフルCG映画ができたことからもわかるが、このゲームはさらにすごい。なんと、音声ファイルを自分で解析して、ふさわしい口の形を作るのだ。前もって、ムービーのように作っておかなくても、音声ファイルを変えるだけで、キャラクターの口元が英語、日本語、中国語など、各国の言葉用に変形するのだ。デモムービーには、前半英語を喋るキャラクターが、後半中国語を喋るデモをしている。結構違和感がない。まじすげえです。

 技術の進歩は楽しくて仕方ない。