レポートの祭典

大講義における中間レポートの評価を一日かけてやった。いつもの「方法序説を読んで,次の観点からまとめなさい」というやつ。

 

昨年は大変残念なことに,課題がそのままYahoo!知恵袋にだされ,そこでの回答をコピペしたレポートが提出されるということが生じたが,今回はそれを逆手に取って「基本コピペしろよ」という課題。

 

事前にオリジナルな考えというのはコピペのまとめ方に現れる,という教示をしておいた。完全にオリジナルというのは教壇に立っている私でも無理な話であって,要は様々な本などから取り入れた情報をどのように自分の中で消化するか,あるいはまとめあげるかということがこれからのオリジナリティでもあるからだ。

 

さて,レポートの方はというと,採点が少しやりやすくなったかも。もっとも,途中で採点というより分類という作業をしている気分になってくる。最初の数人は読むが,4〜5人目ぐらいから出典もとがかぶってくるので,これはこのグループ,これはこのグループ,という感じでまとまってくるのである。

 

行間あるいは文中にオリジナリティが見いだせることは少なく,評定の分散が小さくなってしまい,かつ減点法による評価になったかと思う。

 

例えば。

行間がアホほど開いているとか,段落ごとにフォントが違うというのは,ああコピーして貼付けただけなのね=努力するつもりがないのね,ということが伝わってしまう。最近は原稿用紙に書くことが少なくなったからかもしれないが,段落の最初は一字下げる,ということぐらいやってほしかったなぁ。これらはいずれも日本語表記が不十分ということで評定が下がる。

また,中にはコピペのやり過ぎで,文章が途切れて,違うフォントで続きが書かれたりしているのもある。これはもう,明らかに推敲をしてないので全然だめですよ。

あと,一応このラインにそってまとめろよ,という評価基準を明記してあるのに,前々それに準拠しないのも×。引用の日時を書いていて,「このレポートで引用した者は全て5月29日にアクセスしました」とあっても,中身が全然違うのは,まとめる前にまず本を読んでないだろうお前!という感じ。

一応レポートは全体を通じて何かを主張しておいてほしいのに,まとめの箇所がないのもどうかなぁ。レポートの終わりが途中で切れているような感じになっているのも少なくなかった。

もちろん引用元をかいてないのも,文章が「ですます調」あるいは「である調」に統一されていないのも,努力不足として減点。

 

まぁ中には,丁寧に引用してちょっとオリジナルなスパイスを入れてくる学生もいるのです。だいたい2%がSクラス,5%がAクラス,という感じかなぁ。

次回はもっと「調べて,コピペして,まとめる」ということを全面に押し出した課題にしてみようかな,と思ったような次第です。