この見出しだけ見ると、「あぁ麻生総理が、またのらりくらりこたえやがったな」とか思う。
あるいは記事を読んでいると、「非正規雇用の追加対策、具体案なし」とか「追加対策、必要ではない」といわれてしまいそう。
麻生も最初は良かったけど、今は方針がグラグラしていて、なんかだめだね、やっぱりね、といった感想を持ってしまいそう。
が、「ぶら下がり記事」(要するに一問一答)まで読んでみると、なんのこっちゃない、総理大臣のほうが、マスコミよりも明らかに頭がよい回答をしています。
マスコミが「平成21年度予算案が今日衆議院を通過し、年度内成立が確実となった。」と聞いたのに対して、
「予算、これは補正予算も含めて予算の成立が一番の景気対策になる。ずーっと言い続けてきました。おかげさまで今日、本予算が衆議院を通過していますが、これから後、補正予算の関連、また参議院で今から審議が始まりますんで、そういった意味では4月1日から確実に関連法案を含めて実施ができるように、残りまだ参議院でいくつか残っている部分がありますんで、それをきちっと仕上げていかねばいかんもんだと思っています」
と彼は答えているわけ。
これに対して、「非正規雇用の話だが、今の対策だけではなくさらなる対策を求める声もあがっているが、そういったものを検討する予定はあるのか」と、続けてマスコミが聞く。
総理の答えとしては、
「それはなんですか? 補正の話をしたいということかしら。言ってる意味は」
であり、そうです、とこたえると、
「あの今まだ本予算やってる真っ最中ですから。今まだ本予算もできない前から政府として補正の話という段階ではないと思います」
と返している。
どう読んでも、麻生総理の方がまともなことを言っている。マスコミは、同じことについて多角的に聞いたり、色々な言葉を引き出したいと思っているんだろうけど、ちょっと頭が悪い聞き方をしている。言い換えると、非論理的な聞き方をしている。
正しいディスカッションは、同じことを繰り返すのではなくて、新しい切り口から話を広げていくものです。
とまれ、国会審議もみず、Yahoo!のヘッドラインだけ読んで、政治のことを何となくネガティブに捉えていた自分に嫌気がさした。リテラシーって、関心がなかったり時間がなかったりすると、どんどんさび付いていくんだなぁ。
もっと真面目に生きないとな。