蟹工船・党生活者

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

蟹工船・党生活者 (新潮文庫)を読んだ。なんだか今更、流行しているらしいじゃないですか。だからです。

読み終わってまず終わったのは、学校の社会の授業、あれじゃ駄目だぞってこと(笑)
「蟹工船」とか「プロレタリア文学」という単語を初めて聞くのは、歴史の時間。歴史は俺が子供の頃は、政治体制、事件・政令・文化、という三段構成。例えば、室町幕府応仁の乱、安土桃山文化、みたいな。蟹工船は、昭和初期とか大正、日清日露、プロレタリア文学。プロレタリアといわれれば、「蟹工船の犯人は小林」みたいな、単語と単語のリンクを覚える授業。だから俺は社会の授業が嫌いだったんだ。

まぁでも、これの良さを分かろうとすると、現代史と社会思想の流れ等々が分かっていないと駄目だから、中高の教員にそこまで求めるのは酷というものか。やはり自分で見つける喜びをとっておいてくれたのだと、好意的に解釈するとしよう。

とまれ、そういう上っ面&キーワードのリンクだけでは、くみ上げきれない大事な事実がいっぱいあるということ。
個人的には、蟹工船より党生活者のほうが面白かった。これを読むと、へぇアカの生活もスパイみたいでかっこいいじゃないか、と思う人が出るかもしれない。まぁ今時、大儀のために生きる人ってのはいなくなっていると思いますが。

これが今更流行っているというのは、団結することの大事さに気づいたかな?あるいは、闘うことの?でもきっと、そこまでの勢いがある人はもはや存在しないと思います。

しばらくしたら、大規模な非正規雇用(の方々)の解雇が始まります。さてそのとき、誰がどのように立ち上がるのか。見物だね(この言い方は、腐ったブルジョワの台詞だと、総括されそうですが)。