The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

学生に借りて、「The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day」を読んだ。JoJoの小説版で、まず始めに言っておくが、とてもよい本なので世界のJoJo好きはみな一読をお薦めする。

読みながら思うのは、JoJoは小説なのだな、ということだ。荒木氏の原作を読んでいるのと同じような喜び、興奮、期待感が押し寄せてくる。これはこの小説がとてもうまくJoJoの世界観を捉えているというよりも、原作のJoJoがそもそも小説的だと言った方がよいように思われるのだ。もちろん原作は、あの独特の画風、漫画の常識を無視したようなコマ割り、格好いいセリフ回しなど、漫画だからよいことも多いのだけど、本質はやはり小説なのだろう。真紅のロマンホラー、ですな。

私のこの表現がよくわからないという人は、ジャンプに乗っている他の漫画を小説として読むことを想像してみるといい。大半が想像できないのではないだろうか。
逆は可能なのだ。小説を画にするのは、最近は多くの漫画に原作が付いているように、むしろたやすいことだと思う。

しかし、例えばあのDeath Noteでさえ、漫画になることを前提とした小説が背景にあるに過ぎず、純粋に小説的側面だけで語れる作品ではないと言える。

余談だが、この話は音楽の業界にも通じるモノがあるようだ。坂本龍一はクラシックの音楽理論を背景にPopソングを作ることが出来るが、逆はとても難しいし、できてもたいてい「Popソングで表現できる程度の背景をもっている曲」でしかないのだ。

とまれ、文学的レベルすら有している漫画として、さらにJoJoが好きになりました。皆さんも是非。

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day