すごいニュース。
MSN産経ニュース
ようつべにも動画があるので、良かったらみてください。
リンク先にも書いてあるけど、ここでも書いておく。
横浜対東海大相模の試合。3-0で東海大相模がリード。東海大相模の攻撃、なおも二死一・二塁のシーン。で、ピッチャーがワンバウンドの投球。バッターはハーフスイング。キャッチャーはきちんと捕球しています。塁審に確認すると「スイング」。すでに2ストライクだったので、この時点で「三振」確定。
ベンチに引き上げる横浜ナイン。東海大相模の監督から大声で指示。驚いた表情のバッター。しかし、命じられるままダイアモンドを回る。
そう、三振ではあるけど、まだ「インプレー」、スリーアウトじゃないのです。
満員の球場がザワザワ。審判団、集合。議論の末、「振り逃げで三者生還、得点は認められます」。
この時点で6-0になっている。結局この試合、横浜が4点返すも、そこまでで敗退確定。
さてこの「振り逃げ」というルール、少しややこしい。
基本的には守る方も攻める方も、ちゃんとやるというのが前提になっている。ピッチャーやキャッチャーは自分たちの仕事をするし、バッターやランナーもきちんと自分の仕事をするのです。ということで、三振した時点で、プレイヤーのバッターとしての権利は消えますが、ランナーとしての権利は残っているのです。ピッチャーやキャッチャーが自分の仕事をしてない(ワンバウンドの投球とか、捕逸とか)ので、ランナーの権利を奪えないのですな。ルールブックには「振り逃げ」という項目があるわけじゃなくて、バッターは打て、ランナーは走れ、と定義してあるだけ。その組み合わせで行くと、こういうことが起こるわけですな。
例外もあって、一塁にランナーがいるときは振り逃げは成立しないそうな。しかし、例外の例外があって、二死の時は一塁にランナーがいても成立するそうです。これは、たとえば無死一塁の時に振り逃げを認めてしまうと、キャッチャーがわざと補逸して、ダブルプレーをとろうとすることができます。そういう悪意を封じるための例外の例外なんですな。
いやぁ、面白い。当の本人達は決して面白くないだろうけど、ルールブックという公理に基づいてゲームが生成されているという意味では、十分に楽しい素材です。>野球とその珍プレー
キャッチャーは怒られただろうし、今から後ろ指を指されて生きていくのかもねぇ。でも、こんな面白いシーンを想像してくれた、そのキャッチャーを、何か表彰してやりたいものです。
個人的には、「バッターに一球も投げずに勝利投手になった」という珍プレーが好きです*1。
*1:大リーグでの話。九回裏二死満塁でリリーフにきたピッチャーが、まず牽制で刺した。その裏に味方が逆転したので、勝利投手になった、という話。昔なにかの本で読んだ。