まずはこちらから。「心理尺度のつくり方」。同じ著者の「「心理テスト」はウソでした。 受けたみんなが馬鹿を見た」の、続編みたいなものね。前著で文句をいって、こちらで自分なりの答えを書くという感じでしょう。
目の付け所はとてもよい。確かに、今までこの手の本がなかったものね。もう少しすれば俺が書くところでした(笑)尺度を作ろうとしている人は、必読です。新しい情報も含めてあるし、著者なりの考えも示されているので、良くも悪くもエポックメイキングな本になるんじゃないかなぁ。
欠点は、前著と同じく、多少言い過ぎなところがある点。今までの尺度はここがわるい、というのを名指しで言うところまではよいと思う。○○の研究は▲▲という点で問題がある!というのは、きちんと名を名乗って、指摘するのだから、責任ある行動だと思う。日本的ではないかもしれないけどね。とある先生に聞いたが、日本人はその人の意見に講義すると、人格を攻撃されたと解釈してしまうらしい。研究業界は荷重フリーで行こうぜ、なぁ。
で、問題は、この人は「その代わりに、ちゃんとやっている研究は□□です」というときに引用するのが、自身の研究でしかないこと。アイツは悪いが、俺はすごい、と言っているように聞こえて、耳障りが悪い(笑)できれば自分以外の研究で、××さんはよい、△△の研究もよい、と褒めるべきは褒める、という姿勢があれば欲しかったな。ま、俺もたいがい日本的思考に毒されているのかもしれないけどね。