DA BU N

いい文章とは何か、と問われて定義するのは難しいだろう。
しかし悪い文章とは、と問われると「意味がわからない文章」というのが一つの答えになるだろう。

意味がわからない文章になる理由は

  1. 文法上の問題
  2. 語彙の問題

の二つがあって、前者は「アホな兄の弟」のように、アホが「兄」にかかっているのか「弟」にかかっているのか判然しない、というようなものがそうだろう(いい例じゃないけど)。後者は語の定義の問題で、明確に定義されていないか、独特の意味を付与して使っている場合などが原因の一つだろう。

引き合いに出して悪いけど、例えば先日の日記に寄せられたコメントをみてみよう。
少なくとも私には意味がわかりにくかったので、その例として。

『誤解を招きすぎですよね。確かに。
利得行列は「成果」を現しているが、変換行列は誘引価を現しており、混乱を招くからではないでしょうか。』

という文章である。これは

  1. (日記を受けて、ケリーとチボーは)誤解を招きすぎである。
  2. (その理由として)AはBだが、CはDで、混乱を招くから。

という二つの文章からなる。

大きな構造として、「(理由として)混乱を招くから(誤解を招く)」という形になっている。混乱→誤解、という繋げ方が不自然だと思う。混乱も誤解も同じような意味じゃないか?あるいは誤解→混乱、ならまだわかる。混乱の方が大きな概念だと思うからである。

また、「AはBだが、CはDである」について、「だが」の逆接が引っかかる。「AはBだが、Dではない」とか、「AはBだが、それに類似した概念であるCはBじゃなくDだ」というのならわかる。ちなみにこの文章に書いてあるAとCは対立する概念じゃないと思う。「AはB、かつCはD」でもおかしくないのだ。

とまぁこのように考え込まされるので、意味が捉えにくいのである。
故にコレは駄文であると思う。

我々の仕事はいわば文筆業だから、作文が巧いほうがよい。
小学校を出たあと、はっきりと誰かに作文の方法(リテラシー)を教わった覚えがない。誰かが教えてくれたらいいんだけど、普通は出来るだけよい文章に出会って、書き方を自分で身につけていくしかないんだよな。

自分の文章は、人に読みやすい文章なんだろうか。きっと違うんだろうな。
英語で文章を書くためのセミナーとかはあるけど、日本語のセミナーもどこかでやってないかねぇ・・・。