悪魔に魂を

 敬虔なキリスト教信者の大学生がいたとする。その人は、数学の勉強をしようと、教科書を求めて本屋に行った。彼の専門が、そうさな、線形代数だったとしよう。で、詳しく書いてある本を探したところ、いくつかの本は見つかったのだが、どうにも物足りない。
 本棚の隅にある、怪しげな本に目がとまる。タイトルは線形代数、と書いてあるけど、表紙にイスラムの神に捧ぐと書いてあったとしよう。

 その本には、彼の知りたいことが必要にして十分書いてある。他の本はすべて物足りない。勉学のためにはその本を買うべきだ。しかし、行間に書いてある「モハメッドかく語りき」とか「モハメッド万歳」という言葉に、いちいち腹が立つ。挿絵はなぜだかイスラム語だ。

 彼はその本を買うべきだろうか。
 自分が正しいと信じる、キリストの神と数学の真理。どちらかがどちらかより優位ということがあるのか?数学的に正しくても、教義として、いやさ、人として間違っているその本を手にすべきだろうか。確かに、確かにそこに書いてある数学は真理だ。情報に間違いはない。しかし、しかし!!!!

 今日、私は本屋でVisual Basicではじめるネットワークプログラミング超入門という本を買いました。
 買いたくありませんでした。でも、挿絵に我慢しさえすれば、自分に必要な情報はすべて手に入る・・・・。
 そうです、神より真理を取ったのです。

  Visual Basicではじめるネットワークプログラミング超入門

 なんでこんなキャラをつけるんだようぉぅぉぅ!!!