今日は学部の卒業式。
謝恩会が船上パーティーということで、かなり楽しみにしていった。
船の揺れによる酔いとお酒による酔いが微妙に交互作用して、大変楽しい時間を過ごすことができた。
こういう場ではつきものなのだが、「何かコメントを」と言われる。
人前で話すのには慣れているが、うまく話すのはいつも難しい。今日も思っていることが十分伝わらなかったような気がする。
後輩の院生も順次話していくが、やはり経験がものを言うようだ。院生歴が長い人間の方が、うまく話せているとおもう。
先生に至っては、言わずもがなだ。
日中は、博士論文の手直しをしたりしていた。
妙なもので、ある程度時間をおいて見直すと、あれほど自分なりによく書けたと思ったものが、穴だらけに見えてくる。それでも、審査してもらったものに対して評価が出るのだから、あまりそれを改訂しすぎるのは良くないだろう。このジレンマに悩みつつ校正中です。
今にして思うと、書き上がってから三ヶ月、寝かした方がよいものが書けるな。
投稿論文もそうだ。書いてから、査読の返事が返ってくるのが約三ヶ月。それぐらい間隔があると、査読者からのコメントも冷静に受け止めることができるし、昔の自分の問題点もよく見えるようになっている。
何事にも無駄な時間というのはないものだ。人生ボチボチ・・・。
映画「1980」を見に行く。
いい映画だった。ロード・オブ・ザ・リングの倍払ってもいい。あ、でもあくまでも私の評価であって、決して一般的な評価ではないのでご注意あれ。友人Kや後輩Iならわかってくれるのではないかな。
1980年の無責任さがうまく描かれていた。おそらく、80年に起こったニュースをタラタラ語られるよりも、この映画の方がよっぽど当時の雰囲気を教えてくれる。私が今持っている80年代情報(と少しの経験)からいっても、かなりうまく描写しているはずだ。もちろん映画中のファッション等の時代考証もバッチリだった(止まってる車も80年代仕様。ただ、学生の台詞の中に「チョー・・・」という表現が一回あった。それは時代を先取りしすぎではないか)。
公式サイトを見て知ったが、監督自身、80年は良かったと語っている。表層的だったが、夢があったと。その後、情報化の波が押し寄せてくるし、バブルが来るなどして、80年「代」に入ると、悪いところが目立ってくるのだ。
この映画の描いた80年が、当時の80年に近似しているとすると、劇中の高校生が、今の35〜45歳になる。私が最も忌み嫌う世代であり、躾がなされていないから子供にしてあげることもできないダメ大人の世代だ。自己完結的に、納得。
多分、「1990」や「2000」という映画はできないだろうな。オウム事件は半ドキュメンタリーのようになって映画化されるかもね。あれも80年代末期か。