今朝のテレビで知ったのだが、WHOがアルコールの害を防ぐための指針を定めたという。
元記事を調べたら、今年の一月ぐらいのニュースなんだな。
例えば↓
朝日新聞デジタル:どんなコンテンツをお探しですか?
タバコに続いてアルコールも、という話で、いよいよ健康でなければ社会的に殺されるようになってきている。
その前のニュースもそうだ。朝、ラーメンを食べてから出社する人が増えてきたという話。
元記事はこちら。>朝からラーメンを食べる“朝ラー”ブームが都内に上陸! – ニュースウォーカー
最初は不況のせいで、朝たっぷり食べてお昼は食べない、一日二食にするという話なのかと思ったがそうでもないらしい。
それにしても、最近は早起きして出社しようとか、朝ごはんはちゃんと食べよういう話題が多い。
朝早起きして、朝ごはんをしっかり食べて、タバコはもちろん吸わないし、夜アルコールを飲むことなく早く寝る。
それが楽しいのか、って楽しい人もいるし、積極的に不健康になることにメリットはないから、反論できない論調。
ただ、気になるのは、どうにも論理的すぎること、一方向的過ぎること。
論理的なのはいいのだが、行き過ぎると「無矛盾である=正しい」という拘束力が異常なものになった場合、歯止めが効かなくなる。
健康帝国ナチスという本がある。今日のテレビで、この本のことを思い出した。ナチスドイツはユダヤ人大虐殺という古今例のない犯罪をしたのだが、一方でアスベストを廃したり、禁煙政策を進めたりと、より優れた人間になろうとした。ユダヤ人に対する政策もその一環なのだ。事程左様に、論理的矛盾がないことがいいことかどうかはわからない。東京のような大都会は合理的な街なので、こういうブームが出てくるのかな、とも思う。
ひとつに解を定めるのも要注意だ。昨日、フォローしている人のつぶやきで名言を知った。「測れるものはすべて管理される」。なるほど、そうかもしれない。測定を大事にしよう、ちゃんと測定してそれを検証に用いよう、という方針は大賛成だ。ただ、そのとき参照するのが、平均値のような中心化傾向の指標だけになること、は避けた方が良い。
南風原朝和先生も言っていたが、たくさん集めたデータの特徴をたった一つの数値に縮約するのは、そもそも無理がある。合理的に理解しやすくするために無理をするのだけど、それは情報の切り捨てという側面があることを忘れてはならない。切り捨てられる情報が何であるか、ということに無関心で利用するのは間違いだ。もちろん、だから統計は駄目だ、と短絡的に批判するのも間違いだが。
個人差、個体差、個性を大事にしようというのであれば、平均値よりも分散、最大値・最小値よりも歪度やジニ係数を使うべきじゃないか。散らばりに基づく指標を大事にしないと。
日本国民全員の寿命を延ばすとか、健康で長生きさせるだけを目的にするのではなく、タバコを吸ってもいい、お酒を飲んでもいいけど、国民の6割は70歳まで生きましょうよ、ぐらいのゆとりある方針を作るべきだと思うのだが。
それにしても、タバコ、お酒ときたら次はコーヒーかな。エロ漫画の規制も激しいけど、またチャタレイ夫人の恋人が発禁になるような世界が来ちゃうかもよ。楽しみを制限して、一方向に世界を導いて楽しいかねぇ。これだったら「「地球人手当」計画(元記事:痛いニュース(ノ∀`) : 世界ランキング上位6億人から税金徴収し、全世界の人々に最低限の生活を保障する「地球人手当」計画…法政大教授 – ライブドアブログ)」をWHOが提案する方が、まだまともだと思うけどねぇ。