「入門ベイズ統計―意思決定の理論と発展」を読了。うむ。入門できた。しかし、知りたいことはベイズ統計の全体像ではなくて、心理統計におけるベイズ統計の貢献の仕方なのである。
ベイズ統計による革命がそろそろ来そうだ、と感じている。存在そのものは10年前から「そろそろだぞぅ」と言われていたので知っていたが、そのときはまだツールがなかった。結局、我々のような応用目的の人間にとっては、理屈はともかくソフトにどのように実装されるか、それをどのように表現すれば、どのように説得力を持つか、ということが重要なのである。豊田先生のMCMC本(マルコフ連鎖モンテカルロ法 (統計ライブラリー))や「ベイズ統計データ分析―R & WinBUGS (統計ライブラリー)」が出てきたことをもって、はじめて私なんかは「そろそろ来そうだ」と重い腰を上げるのである。それでも、心理学業界ではまだまだネイマン-ピアソン流の仮説検定がほとんどなので、早いほうなのである。鶏口と為るも牛後と為る無かれ、てか。
さて、実際どうやって我々がベイズを使うか、という話になってくると、結局いろいろな分布について知っておかなければならないようだ。こういうときはベータ分布、こういうときはガンマ分布・・・てな具合でスタートポイントを設定してやらないと、MCMCのチェインがまわらないのである。まわると今度は、この辺の数値でこれぐらいの割合で落ち着きますよ、確からしさが高まりますよ、という報告の仕方になる。これは確かに、「有意差あり!」「なし!」と言い切れたことに比べると表現上のインパクトは弱いねぇ、ウケがわるそうだ(笑)
とまれ、分布と、MCMCの一歩前、ブートストラップ法のことをよくよく勉強してから、Bugsの使い方に慣れていきたいと思います。