三輪明宏の「天声美語」を読む。読みやすくてオモシロイので、若者は読んだ方がよい。
主張は一つ、美しく生きよ、である。いいな、と思うのは現代の拝金主義を徹底的に批判していること。全くその通りです。お金は確かに人生において重要なものだろう。「お金がなくても愛があれば」に対して、「お金があれば愛が潤う*1」というのは間違いなく一つの真実だ。しかし、それはお金の次に幸せがあるのだ、という前提である。最近の世相を見ていると、お金が第一になってしまっているようで、悲しい限り。それでは心がすさみます。「お金の次」を見失うぐらいなら、貧乏の方がマシだ。理想論だとわらわ場笑え、理想も語れない人間が歴史に名を残す可能性はないだろう。
三輪さんは、お金の次は美だという。美しかない、と言われるとちょっと困るんだけど、そこまでは言ってませんのでご安心を。何でもいいと思うのだ、お金の次に神があっても、真理があっても、音楽があっても、家族があっても、なんでも・・・。ただ、そこを見据えて生きていると、お金なんかどうでもいいレベルであることは明らかで(その辺社会はうまくできている)、人生が満ち足りたものになる。ただ、お金がかからないからといって、楽な世界ではないけどね。事実、この本も最後に「美しく生きるために読むべき本、聞くべき音楽、見るべき舞台、備えるべき教養・・・」とリストアップされていますからね。大変ですよ。