最後に「理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)」。これは、科学哲学とか論理学とかをやってるとあちこちで出くわす、おもしろエピソードをぎゅっと一冊にまとめた感じの本。不可能性、不確定性、不完全性という三部に分けたこと、様々な立場の人間がディベート形式で進めるというところなど、工夫は随所に感じられる。初学者向けである。ただ、それらをズラリと並べるだけで終わっていて、要するに「おもろいやろ?こんなんもあるよ、おもろいやろ?」と言われ続けているような感じ。何かを得たような気分にはならないので、お薦めの一冊というわけではない。