山口は素数だから–割り切れない気持ち

NHKのオックスフォード白熱教室を,ザッピング中にみつけて,見入ってしまった。素数の話だったんだけど,特に面白いと思ったのが「素数ゼミ」の話。

ゼミナールじゃないよ。蝉だよ。

研究されていて,本も出ているんだね。

[amazonjs asin=”4797342587″ locale=”JP” title=”17年と13年だけ大発生?素数ゼミの秘密に迫る! (サイエンス・アイ新書 72)”]

[amazonjs asin=”4163672303″ locale=”JP” title=”素数ゼミの謎”]

要するに,数年単位で地上に出てくる蝉にとっては,天敵のサイクルの公倍数にならないように素数年ごとに出現する,という話なんだけど(このアイデアをつかってGAで素数を発見できないかなぁ,と思ったけど効率が悪すぎるからあかんやろな)。

山口に来たばかりの時に,似たようなことを考えていたのです。

どうして山口には人が来ないんだろう?観光資源は豊富にあると思うんだけど,誰も足を止めないのはなぜか。

隣に広島や福岡という大きな街があるから?

圏内でも岩国,津和野,下関に取られて山口市内は残念な感じになっている。

でもこれってきっと,公倍数になれなかったからじゃないかと思うのよね。

徒歩,カゴ,馬,飛脚,汽車,電車,車,新幹線など,それぞれの移動手段で一休みする場所が必要で,その場所ごとに宿場町ができるわけでしょう。で,各移動手段の公倍数が大きな街になっていくんだよね。山口はそういう意味で,素数の街になってしまっているんじゃないか。

こういう交通網の観点に加えて,ハブになるかどうかというネットワークの構造的観点も加えて,見事に山口市はプライマリーになっちゃったんじゃないかしらと。

これってきっと,人文地理学とか都市社会学でちゃんと研究されている話なんだろうね。心理学者も地理的な距離と心理的な距離,といった現実社会との接点をもっと考えるべきだよね。

 

みんななんで山口市にこないんだろう,と市民は割り切れない気持ちをもっています。だって素数の街だから。

 

追伸 山口市は12月,クリスマス市になります。ってもっと宣伝したらいいのに。