師匠の最終講義

本日,関西学院大学にて恩師・藤原武弘教授が最終講義を行われました。

私が通っていた頃とはすっかり様変わりした学び舎で,学部長になられた先生や事務の方々のお顔も久しぶりに拝見し,ノスタルジーを感じ,教室で院生時代の仲間や研究仲間の顔を見つけては声を掛け合ったりしているうちに,その時が始まりました。

題して「自分の社会心理学物語-そのオモテとウラ-」。先生の研究的系譜,教育的系譜がまとめてお話しされました。

通じて,人間の二面性,環境によるその変容がずっとテーマだった,というお話で,ああやはり社会心理学者はそこだよなあ,と思ったり。内と外,個人と集団,二つの相が同時に存在することが我々のテーマなのです。

思った以上の時間を,計算機と多変量解析に費やされたのだなあというのも,改めて感じたところ。普段その手の苦労はお話にならないけど,時代的に大変だったんだろうな。

 

お話の終盤,弟子たちに学位を出すことができてよかった,ということをサラッと触れられました。スライドに名前が出てきて驚いたよ。

最後には先輩には引っ張り上げてもらい,後輩や弟子には押し上げてもらい,友人には遊んでもらったり守ってもらったりした,これがよかったという感謝の言葉も。

我々はもちろん,みんな先生のことが好きなのだけど,それはきっと先生がこういう,周りに感謝と愛情を持って接しておられることが伝わっているからなんだな,と思いました。愛されるためには,愛さないと,だね。

 

一つの時代が終わったのかなぁ,と思うと感慨深い。泣かなかったけどね!

さあ,俺たちの時代を始めようかぁ!