2023年の10大ニュース

毎年年末になるとこの投稿をしてます。振り返り、総括、物忘れ防止に。歳をとると月日の流れるのが早い,とはよく言うが、忘れてるだけで何もなかったわけじゃない。今年のブログとか読み直して,あー、そうだった,と噛み締めております。そして順序づけも大事。「思い出は全部同じ大事さ」と言ってもいいけど,せめて序列化ぐらいしないと、振り返った時に汲み取れる情報が少ないからね。

順にカウントダウンして行きましょう。

10位に入るのは「寝正月」です。なんやそれ,と言うところですが,これたぶんコロナだったんだよね。年末年始の発熱なので病院に行けず、診断をもらってないので、曖昧な書き方になりますが、一週間寝てスプラするくらいしかやることがなかった。回復後,隔離期間があったので犬会現地参加できなかったのが残念です。会場は良い椅子だったらしいし,オンラインでやった発表も爆笑を取れたらしいんだけど…残念。

続く9位は「よく映画を見た」かなぁ。このまとめ方(カテゴライズ)で正解かどうかわかりませんが、一年を振り返ってみると、今年はよく見たな,という感想になるのです。ちなみに今年見た映画一覧を書き出してみると次のとおり。

  • THE FIRST SLAM DUNK
  • 仕掛人 藤枝梅安
  • シン・仮面ライダー
  • 宇宙人のあいつ
  • 岸辺露伴 ルーヴルへ行く
  • インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
  • ミッション:インポッシブル デッドレコニング
  • 君たちはどう生きるか
  • リボルバー・リリー
  • ミステリと言う勿れ
  • ジョン・ウィック:コンセクエンス
  • 沈黙の艦隊
  • イコライザー THE FINAL
  • オペレーション・フォーチュン
  • ドミノ
  • ゴジラ-1.0
  • 正欲
  • 翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて

基本,イオンシネマで観てるので、e席リザーブのメールから確認しました。うん、それぞれ自分の内面を作るのに貢献してくれてる。いやぁ,映画って,ほんとに良いものですね。

8位は「殉星会の発足」かな。共同研究を持ちかけた大学入試センターのS先生と,本学にも非常勤で来てくださってるH先生が,同い年であることが発覚。研究会の後に3人で飲む会を結成。最初の飲み会で北斗の拳の話題になり,南斗は全部「◯星」という冠がついてるよね,ユダのはなんだっけな…というところからこの名前に。名前が年代を表す,じゃないけど、昭和50年生まれの会です。色々あるこのご時世、同世代の同性と飲むのが一番気楽で安全よ。まぁ話題が健康や「これからの趣味どうする」みたいな話になっちゃうけどね。そういえば年末(28日)、関西に帰省した時に高校時代の同窓生と昼ごはん食べる機会がありましたが,それも同性同年齢の集いで、健康の話してたなぁ。ま、おじさんの羽休めができる機会が得られたことは僥倖です。

7位は「息子の歯茎の病」です。歯の周り,顎の辺りが痛いと言い出した数日後,夜中に自室でドタバタしてるなーと思ったら,泣くほど痛くて寝れなかったらしい。最初は虫歯か、肩こりか,みたいなことを言ってましたが、どうやら歯肉炎。それもちょっと病根が怪しいから大病院で診てもらって,となって,大病院の口腔外科へ。みると顎の下に空洞があって…という話。最初は入院・手術という話も出たんだけど、結局入院には至らず,病気も悪い腫瘍ではない歯根嚢胞でした。しかしこの病の原因が,小学生の頃に転んで欠けた歯の神経が死んでたことにあって、数年越しに発祥するんだから堪んない。勿論たまらんのは息子の方ですが,親としてはとても心配したのですよ,愛しき息子よ。

さて6位ですが、なんとまとめて良いかわからんけど,「研究員生活」あるいは「膨大な睡眠時間」です。いやぁ,よく寝た!今年はよく寝たぞ!国内研究員、いわゆるサバティカルですが、時間を自由に使っていいわけです。そして私は「文字を読むと眠くなる」という研究者にとって致命的な欠点があるので、論文や専門書は勿論,小説とかでも,基本寝てしまう。なので一気に読み進められないの。しかし!ポイントは「読むと寝てしまうが,その二度寝から目覚めると,続きが寝ずに読める」のです。つまり,読み始めて,数ページで寝てしまい、目覚めて続きを読むとたくさん読める。普段はこの「一旦寝る」で休憩時間が終わってしまうから,総量として読めないのであって,この生活は目覚めた後,まだ読む時間があるッ!これは幸せなことですよ。ということで,インプットする時間を確保できたのはよいことで、正しく研究員をしてると言えよう。ただ面白いもので,4月の頃は朝8時に子供を送り出して,読み始めて,寝て,起きたらお昼みたいな生活だったのが、10月ごろから目覚めが9時、10時になって来たのね。思うに,睡眠時間が十分すぎて,それ以上寝なくても大丈夫になったのかもしれない。最近は「睡眠がすべての回復じゃない」みたいな感じすらある。なんにせよ,余裕のある時間というのは大事だということではあると思うんだけど。あ,でもたぶんこの生活のせいで,筋肉量が落ちてます。来年から身体を動かしていかないと、違う弊害が出そうだなぁ。

5位は「シミュレーション本の出版」です。9月の学会合わせで準備してたので、研究員期間でなければ難しいくらいの作業量でした。出てから誤字脱字をよく見かけたのは、いつものこととはいえきつい。原因のひとつに、出版作業手順・環境に一貫性がないところがあった。これは反省点。締切にこだわらず、より良いものを作る時間の余裕を見ておくってのも肝要だよなぁ。この反省は次の本作りに活かそう。あ,でも内容はとても良いものと自負しておりますよ。皆さんもぜひ手に取ってください。

4位。いよいよ本丸?「パッケージ作ったよ」です。研究期間のテーマである、Exametrikaの移植が完了。予定より早く,10月末にはできてたのかな。移植が上手くいかない事で悩んだりしましたが、これはうれしい悲鳴であって。研究に没頭できるから,ずっと触ってられる。関数を書くだけでなく,パッケージにする事についての知識・技能の獲得も良かったし,今はShinyAppにも手を出し始めたし、新しい武器を手に入れたぞ!って感じ。いやー,楽しいなぁ。あ、でも副産物としてとんでもない肩こりを手に入れました。運動不足でもあるからなんだけど,これの良い解決策を見つけていかねばなあ。

3位は「Chat GPTとの暮らし」ですな。意外かもしれないけど,よくよく考えてみたら,こいつ(GPT)はもうかなり俺のデジタルライフに関わってきているのです。公私共にね。公的には,プログラミングの補助,翻訳,要約などに使ってます。最近はキーワードで検索するより、こいつに聞いた方が早い。リストから〜を取り出すとか,フォルダ内のファイルを一括で〜する、と言った作業は、ノウハウを検索するよりそのまま尋ねて、やり方と模範コードを見るようになった。間違えることもあるけど,それはやってみたらわかる,読んでみたらわかるんであって。そのうち精度が上がれば、キーボードを使ってのプログラミングがなくなりますよ。口頭で指示出すだけになるんじゃないかな。それぐらい未来を感じさせるし,便利な技術だよね。私的には,夕飯のメニューを提案させるのに使います。冷蔵庫の中身を教えて,この具材の全て,または一部を使って夕飯の献立を提案せよ,というといくつか出してくる。こちらは細かいレシピが必要なんじゃなくて,具材の組み合わせ方と味付けの方向性が思いつけば良いので、シュフの夕飯何する問題がほとんど解決される。来年以降も、デジタルライフ以外のところでも、影響が大きそうな技術だと思うわ。重大。

さて、2位は「娘の大学入学」です。これはデカい。1,2月の入試に始まり,入学手続き、引っ越し、帰省、病気、などなど、家族の形態が変わってしまうほどの変化。神奈川の家でも、部屋割りやリビングのレイアウトが変わったし、ワンオペになることも増えた。まぁ下の子らも大きくなったから、家族のつながりが徐々に疎になっていくライフステージに来たということ。子供大人化計画も終盤です。喜びと共に寂しさを受け止めようではないか。来年は息子も高校生。更にまた一段ギアが上がる感じですな。こうして意図せず大人になっていく…

それでは1位の発表です。これは何と言って良いのかわからないけど、一連の「ハラスメント問題にかかわるエトセトラ」です。夏頃、ハラスメント問題にが発覚し、秋ごろ公になって、心理学業界でニュースになりました。ガッツリ関係者ってわけじゃないけど,「にかかわるエトセトラ」の部分が結構心理的に効く。それを考えると抑鬱的になるんですよね,要するに。被害者のことを考えないといけない。加害者のことも、組織・社会としてのことも考えないといけない。俺はバカで組織・社会をどうこうする立場にあるわけではないけど、考えさせられてしまうのです。それ自体は悪いことじゃない,いや,積極的に考えないと、とか思うでしょう?それも自分に対するネガティヴフィードバックなのよ。即座に自分の考えを批判しないといけない。何も考えずに、嬉しい!楽しい!大好き!って気持ちだけで生きていたいじゃない。嬉しくって良いのか?楽しいだけで良いのか?大好きっていうことは周りにどう受け止められる?なんてイチイチ反芻したくないじゃない。もちろん科学者の端くれ,批判的思考はある程度癖づいてるし、考えることはやめないんだけど,それが「気持ち」や「本意」と整合しなかったり、「合理的で幸福な解決策」を思いつけなかったりすることばかり。最終的には「40代後半男性定職のある大声で関西弁をはなすオッサン」という半ば無意図的に身につけた属性全てを「捨てたろかな…」と思うのよね。捨てられるものではないけど。

カッコいい大人になりたい,と思って生きてきた。いつごろ大人になるんだろう、と考えてたけど、大人って自覚的になるんじゃなくて、ならされるもんなんですね…。今年、身に染みて分かりましたわ。

世間的には,ジャニーズ問題、政治の裏金問題があって、年末最後に松本人志のスキャンダルが出てきましたな。いずれも「やっと声を上げられるようになった」という側面もあるのかもしれん。個人的にはジャニーズ問題はジャニさんは悪、自民党は悪の組織、松ちゃんのはシロっぽい、と思ってるんだけど、いずれにせよ過去のことをエビデンスに基づいて考えないと。加害者側が認めてるならともかく、否定してる場合は騒ぎ立てることが二次被害を(被害者にも加害者にも)与えることを合理的に考えないとね。Xなど個人的な感想・思い込みを垂れ流し、という環境の言説に振り回されるのはシンドイ。俺は結構鈍感なので,その辺気にならないなぁ,と思ってたんだけど、今回のセクハラの件でスッカリ参ってしまった。瘡蓋の上を掻きむしるというか,痛いのわかってて検索しちゃうってのが、自分の中にあったことに気づいて驚いたくらい。あれ?俺何で自分の嫌がることを探してるの?って気づくのに時間がかかったんだぜ…。俺は自分の行為を合理的に決めてると思ってたのになぁ…。

俺もいつか加害側になるんでしょう。学生には「そのうちメガネ差別の時代が来るぞ」と冗談を言ってましたが(タバコ→酒→コーヒー右手肥満→メガネの順に社会的悪とされていくディストピアの思考実験)、さらにその後「関西弁」「おっさん」「男性」へと続く可能性を考えると,ゾッとしますな。

来年、いやそれ以降もですが、悪い時代になりませんように。楽しい事ばかりで10大ニュースが埋められるようにしたいところです。

皆さんも良いお年をお迎えください。