研究員通信10月号

朝夕涼しくなってきて、布団かぶって寝るようになっている。アホほど暑かったときは「冬なんて来るのか」と思うけど、ちゃんとくるものだなぁ。何十回とやってるけど、毎年思うよ。

さて、執筆や学会が終わったので、研究課題に邁進できることになりましたよ。翻訳とかの仕事はまだあるけど、先に本業をやってしまおうかという気になっている。

作業は進むが、そのせいか、とんでもなく肩こりになっている。一時的に、左を向くことができないほど痛くなってしまったので、マッサージ屋さんを…と検索して駅前の店に行ってみた。自由診療になるので、一回6000円近くなるという電流治療を受けてます。6回の回数券で35000円取られた。高すぎないか、これ。絶対6回で治し切ろう…。風呂屋で長風呂する方が安くて効果ありそうだが、痛くて辛かった時はもうそんなこと考えられなかったのです。喉元過ぎればなんとやら。

一方その頃京都では、季節の変わり目が急に来たせいか、下宿してる頂上が熱を出して寝込んだという。心配なので、妻に看病に行ってもらいました。なので、私はこちらで5日ほどワンオペ。といっても子供2人も中学生なので、そこまで手もかからなくなってるけどね。朝が炊事、洗濯、掃除で慌ただしいくらいだな。

子供たちは連休でも部活。ただ、顧問の先生が体調不良で休むなどあって大変だった模様。川崎市のコンサートや合唱コンクールなど、秋の模様しもいろいろあって、子供たちもイレギュラーな日程で疲れが出ないか心配だわ。

研究の方は、テキストの75%ぐらいまで来ました。いやー、面白い。ネットワークモデルに入ってきたので、勉強しながら手を動かしながら。ネットワークモデルは組み合わせ爆発が起きそうなもんだが、テーマがテストなので、通過率でソートするなどしてかなり効率よくなる。テストというのはデータの制限(反応が0/1など)があるが、実質的・経験的意味と合致しているので、うまくモデルが組めるんだよな。制限されているからこその自由、という感じ。社会心理学みたいにかなりフリーなテーマがやれる世界は、逆に自由度が高すぎて何もできない、というところがあるね。

遺伝的アルゴリズムを実装するのも楽しかった。これも遺伝子の設計と評価基準の設定でなんとでもなってしまうんだけど、テストの場合は反応がすでにバイナリなのでそのまま遺伝子になるし、個体の評価、全体の評価は明確な基準があるし、ホント、うまくできてる。

さっきまで取り掛かってたのは、ベイジアンネットワークモデルとテスト理論の合わせ技。モデルの概念的理解は比較的容易いが、コードが複雑!というのも、配列が多次元になるからだね。数学的には次元数が増えても添え字が増えるだけで、プログラム的にも次元を多く設計するだけだから、できるかどうかで悩むことはない。でも、書くのは人間なんですよ。4元配置の配列、どこに何が入ってるか、インデックスはどこに何を置いてるか、それに行列計算が入ってくると、正直目が回るよ。大混乱。

なので、アホみたいだけど、いったん四重のforループで要素ごとに確認しながら書きました。それで数字が合うことを確認して、そこからベクタライズ。

ここでchatGPTの出番ですな。自分のコードを貼って「これをもっと効率よくしてよ」というと、スラスラっと書いてくれる。ただし、正解ではない(笑)。いや、正解を書いてくれることもあるんだろうけど、たいがいは、実行させると全然答えが違うのね。エラーも出るし。

「エラー出たぞ」「答え合わない」とかいうと「申し訳ありません、書き直します」と素直に言ってスラスラ書き直すけど、やっぱり間違ってる、ということが多い。まぁLLMは文脈にあったそれっぽい答えを書くだけで、ノリと雰囲気でやり取りしてるから、そうなるのです。ただ、文脈的に「こんなふうに書いたらいいんじゃね?」みたいな大体の方向性は示してくれるので、そのアイデアを使って、自分で考え直して、書いていくってことが多い。アイデアを工夫するのがプログラミングの面白いところではあるんだけど、自分で思い付かないルートで答えてくるとちょっと面白いかな。

学生さんがGPTを使ってプログラム書いたり、文章書いたりするときも、そういう使い方にせなあかんで、と教えてやらないとなぁ。ウェイウェイとわかったような言葉をただスラスラ並べ立てても、そんなもん自分の人間的成長とはなんの関係もないんやで。アイデアは利用していいけど、ちゃんと自分のモノにしないと、間違えた答え、確認してない内容を「とりあえず答える」にしてるとアホになるぞー、ってね。

あと、関数のヘルプもマニュアルのほうが結局早いです。「このコード何やってんの?コメントつけて」とかは上手くやってくれるんだけど、工夫された使い方をしてる時、マニュアルの第二、第三の使い方なんかをしてる時は、ググって最初に出てくる基本的な使い方だけで説明されても、適切ではないのです。とりあえず調べるのはいい。でも本を読み、辞書をひき、本物の知識にコツンと当たるまで掘り進めないとな。急がば回れ、クンフーを積むほうが大事だよ。

とか言いながら、ヘルプを書く時は英語なので、下訳とかもしてもらうし、それでそのまま使えたりもするから、とても便利ですね、GPTちゃんは。なんでもそうだけど、上手く使うとツールは便利なのだ。

ということで、コツコツ進めてます。できれば今月中、遅くとも年内には最後まで行って、そこから次を考えよう。うん、楽しい楽しい。

プライベートでは、映画を見たり本を読んだりはしてます。ジョン・ウィック第4話も見てきた。面白かったなぁ。あの「人1人に何発使うねん」というガンアクションとか、「あ、また轢かれた、車に跳ねられた」とか。スーツ型の鎧だとしても無理があるやろ、という暴れっぷり。あれはリアリティがなくてもいい、エンターテイメントとして最高です。イップマン(ドニー・イエン)の連打も見れたし、大満足です。

「沈黙の艦隊」は、まぁ悪くはなかったけど、消化不良というか。映像は頑張ってるけど、もっと戦闘!もっとカッコ良い議論とか欲しかったな。あとポリコレかもしれませんが、潜水艦に女性(副長)1人乗せるのはオカシイよな。ちょっとリアリティがなー。続編に期待、というか、Appleがかんでるみたいなので、AppleTVで連続ドラマにしてくれたらいいんだよ。

小説は京極夏彦。やっと絡新婦まできました。分厚い。例によって、残り30%ぐらいにきて京極堂が話始めると読む手を止められなくなる。そして今回も、榎木津。アイツが出てくると話のリズムが加速するので楽しいですな。「見える」のは推理小説における禁じ手な気もするけど(笑)

「ギリシア人の物語」もなんだか面白いです。ポリス(都市国家)ってそんな感じなんだとか、スパルタってエグいな、とか思いながら読むのだ。名前がなかなか覚えにくいのが難点だけど、なんかロマンがあるね。

そうそう、さっきワクチンの5回目打ってきたので、副反応が出たらまた何か読もう。まだまだ読むべき小説は積んである…

マーダーボットの2巻も読まないとな。